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秋の夜長のその前に

ここ1ヶ月、
深夜、確実に目を覚まします。
時計をいちいち見ないほうが良い、
ということに気がついてから、
見ないようにしていますが、
体感的には、2時から3時の間。
彼女は、
すーすー寝ているときもあれば、
どうしたの?
と、目を覚ますときもあります。
目を覚ます、といっても、
どうしたの?
と言ってから数秒で、
すーすーと寝息をたて始めますので、
彼女はそのことを一度たりとも覚えてはおりません。
そういうときに頬を軽く撫でても起きないので、
よく目の前にいる僕のことを現実として認識できるなあ、
なんて、特殊能力のように感じています。
kittyはのそっと起き上がる僕を、
なんだい?動かないでよね
そんな表情でしっとりと眺めます。
抜き足差し足で夜の空気に溶け込もうとしても、
必ず僕に視線を向けます。
敏感。
トイレに一緒に行って、
少しkittyを抱っこして、
お気に入りの椅子の上にそっとおろし、
僕はまた眠りの体勢へ。
というようなことが1ヶ月ほど続いておりましたが、
先日、夜半に起きるのは変わらずも、
足に寒気を感じて起きました。
冷え性の足先というものは、
冷気を吸い取る、大変優秀な掃除機のようなものでございます。
感謝は一切しておりません。
トイレに立ち、kittyを抱っこし、
いつものように椅子におろそうかと考えましたが、
いや、なんて心地よい暖かさなんだ、
そう感じまして、
ごめんよ、kitty、
そうは思いながらも、
腕枕をして、そこで寝てもらいました。
You are such a good boy
彼女が毎日言うように、
kittyはとてもやさしいgood boyでございます。
見習うこと数知れず。
脇腹あたりにぴとっとくっついて、
自由を奪っている代わりに、
せめてもと、全身をそっとpatting。
そしたらいつのまにか、
kittyは夢の中。
時折、身体をぴくんとさせながら、
でも、いくらじっと見つめても、
全く起きる気配はありません。
爆睡する彼らに挟まれて、
僕は、
kittyの呼吸音に合わせてみたり、
彼女のそれに合わせてみたり。
kittyはなんて速いんだろう、
なんて、小さな身体を考慮せず、
そんなことを思ったり。
そのうち僕も眠りに落ちておりまして、
あ、kittyが行ったな、
寝ぼけ眼でその後ろ姿を見たような、
見なかったような、
そんな感覚を追いかけながら、
また眠りに返っていきました。
でも、覚えてはいますので、
彼女の特殊能力とは違うのでしょうね。
秋の夜長のその前に、
夏の深夜の楽しみを、
ようやく一人で味わいました。

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