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ガウン

彼女の強烈な思いが炸裂いたします冬のもの。
それは、ガウンでございます。
他にもたくさんの好きなものがある彼女ではございますが、
それについては、
日本ではそれほど一般的ではないためか、
バリエーションに乏しく、
彼女の欲求を満たさないようでございます。
彼女に出会うまで、僕の人生で、
ガウンを羽織ってお家時間を楽しむことは、
別荘を持つことと同等に、
考えることもなければ、
貴族のような方々が嗜むようなものでしかありませんでしたが、
あるクリスマスに、
彼女にそれをプレゼントしていただいて、
寒い日はそれを羽織るようになって以降、
どうして今まで七枚、八枚と着込んでいたのだろう
と、僕のかつての冬の定番を、
どこか奥の奥のほうへ押しやって、
寒さを感じたら真先に思い出すように、
僕の頭の中の中心に近いところに、
どーんと居座るようになりました。
早くガウンに包まりたい、
という欲求は、
こたつに早く潜り込みたい、
という欲求に、
匹敵するほどでございます。
そんな革命的な(私見です)ガウンに、
どうして彼女の思いが炸裂するのかと言いますと、
クリスマスプレゼントの一つとして、
僕に贈ろうとショッピングに出かけた際に、
women’sコーナーに散見されたようでございますが、
men’sコーナーには全く見受けられなかったそうでございます。
そこに男女の別がある必要が全くなく、
誰もが素晴らしいガウンを着るべきだ、
というようなものが彼女の思いであるようでございまして、
僕も賛同するところではありますが、
男女の別を問わず広く普及していってほしい、
と、ガウンアンバサダーのごとく、
I love this gown
僕が口にするたびに、
熱弁を奮っておられます。
じきに底冷えの厳しい冬がやってきますので、
ガウンをお持ちでない方は、
どうぞ一つご用意くださいませ。
彼女に代わって、
微力ながら、
僕が宣伝しておきます。
なんて冗談を言いたくなるほどに、
僕は重宝しております。
彼女の強烈な思いは、
少なくとも僕には響くものでございました。

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