恋の味

新たなチョコレートに恋をしました彼女でございます。
季節限定メルティーキッスのブランデー＆オレンジ。
その熱はすさまじく、
一口かじるなり、
This is so yummy. I should buy more
と、目をぱっと輝かせておりました。
この「more」が意味するところは、
彼女が、この夏、
水出しコーヒーを買い占めたように、
一つや二つではなく、
十箱、二十箱を意味するのだろうと予測しております。
売っているスーパーと、
売っていないスーパーとがあるようで、
I should go to that supermarket
と、毎日のように呟いています。
一度熱に浮かされると、
冷めることなく、
ずっとその熱を保っていられるのが彼女でございまして、
熱しやすく冷めやすい僕からすると、
見ていて気持ちの良いものがあります。
すぐ冷めるのが分かっていると、
こちらとしましても、
はいはい
そう流したくなることですが、
長続きすることが分かっていると、
どうしても、協力したくなります。
好きなことに全力を注ぐ姿は、
たとえそれが一つのチョコレートであっても、
見る人の心をわくわくさせてくれるような気がします。
彼女がメルティーキッスのことを話すとき、
僕は、つい笑みがこぼれてしまいますが、
Hey, why are you laughing? Do not make fun of me
なんて、照れなのかなんなのか、ぴしゃりと言ってきますが、
それでも、
I love that chocolate, you know
その愛について語ることは止めません。
この先数ヶ月で、
何箱メルティーキッスがストックされるのでしょうか。
二十四袋あった水出しコーヒーを超えて、
記録更新になるのか、
この秋冬の見どころの一つでございます。