傘
目を凝らしに凝らせば見えるくらいの雨粒が落ちてきているときに、傘を持って外出するか、じっくりと考えてしまう僕でございます。
天気予報を確認し、お昼頃から雨が止むということを見てしまうと、今この時間のためだけに、一日中傘のことを頭に入れておかないといけないというプレッシャーは大変苦手でございます。
プレッシャーを感じつつ、どこかへ忘れてくることは数回ありましたが。
僕の最寄りの駅には、自動販売機に横付けされた、愛の傘なる傘立てがございまして、自由に使って良いけど返してね、というふわっとした善意によって成り立つ傘立てでございます。
駅の近くにはそういった傘立てをよく目にするような気がします。最近特に。
僕はそれを一度だけ利用したことがあるのですが、とても良いですよね。
帰宅時、雨が降っていて、傘を持っていなくても、そこの傘を使えば濡れる心配はないですからね。
一度使った後、家から駅に行くときに、そこの傘立てに自分の傘を立てておいて、帰宅時にまたその傘を持って帰れば良いんじゃないか、そんなことを考えておりましたが、愛の傘を一度使ったその後から、そこに傘が立ててあるところを一度も見たことがありませんので、自分の傘を立てておくことはリスクがあります。どこかへおさらばしてしまうでしょう。
皆がしっかりと返していたならば、僕にとっては最高の傘立てになっていたのにな、そんなことを思いながら、雨の日は傘をさして、スマホのメモに傘と書いて、忘れて帰らないようにしています。
傘、それ自体はとても好きなのですが。
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