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もし〇〇だったら

もし〇〇だったら、
という会話は、
ときどきなされるものだろうと思いますが、
この間、僕たちがしたものは、
もし僕たちが子どもの頃に出会っていたら、
というものでございました。
なにを発端にそれを考えたのか、
僕には分からないですが、
ビールを片手に、
彼女がいきなり問いかけてきました。
言葉も通じない、
生まれた国も違う、
ですので、
なにか共通の好みはないか、
僕は考えを巡らせてみました。
例えば、
サッカーが好きなもの同士では、
サッカーが共通言語となり、
その仲を深めるきっかけになるだろう、
そう考えたからでございます。
ですが、
今でこそ、お互いに、
ビールが好き、
散歩が好き、
言語が好き等々の、
好みの円が重なる部分が、
少しばかりありますが、
僕が子どもの頃に好きだったもので。
彼女の好みと重なるようなものは、
全く思いつきませんでした。
僕の子どもの頃の好きなもの、
テニス、カードゲーム、読書くらいのものでしたので、
どれも彼女と重なるようなものはなく、
手当たり次第に、
あれがすきだった、これが好きだった、
お互いに列挙していきました。
そして、最初に重なったのが、
木登りが好きだった、
というものでございました。
まさかの共通点に、お互いがお互いに、
Are you sure?!
と、心が躍ったからでしょうか、
少しばかり挑戦的に尋ねました。
それから、
どれくらいの高さに登ったころがある、
こんなアクシデントがあった、
そのような懐かしい思い出話に披露して、
その夜のハイライトを迎えました。
上の木に手をかけたら、
そこに毛虫がおりまして、
柔らかい毛が手に無数に刺さった、
そのような話をしましたら、
彼女は顎を引いて苦い顔をしておりましたが。
僕たちの結論としましては、
言葉が通じなくとも、
ともに木を登ることによって、
距離を縮めていただろう、
そのようなところで落ち着きました。
もし〇〇だったら、
という会話は、
現実味に乏しい、
妄想話でしかありませんが、
相手の考えや、過去を垣間見られて、
僕はとても楽しく感じます。
これからも、時間の許します夜などは、
ビール片手に楽しみたいところでございます。

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