テレビ番組を思い出す「1993年 ザッツ!コサキンルーの怒んないで聞いて」
「コサキン(ラジオ)はテレビでやるべきではないね。」
この番組が終了した後に、関根勤さんがラジオ番組で言ったことです。
この番組はTBSラジオで長年放送されていた「コサキン」つまり、小堺一機さんと関根勤さんのコンビがやっているラジオの企画をテレビでやると言うものでした。
コサキンで募集している「意味ねぇベスト3」や「CD大作戦」などをテレビの視聴者から募集して、そのネタをイラストでわかりやすくすると言ったものです。「欽ドン」みたいなものでしょうか?(皆さんの中には欽ドンもわからない方もいると思いますが)
リスナーだった私はこの番組を楽しみにしていました。しかし、あれ?って思ったのです。失礼ながら笑えないのです。別にセンスが無いとか面白くないとかってわけではないのです。
当時のラジオに必要なのは「毒」でした。コサキンでもそうですが、例えば芸能人のスキャンダルをいじる。
谷隼人さんが女性タレントと車内二人でいるところを写真週刊誌に撮られた話を10年経っても20年経っても弄ります。
水野晴郎さんや高橋英樹さん平幹二朗さんという時代劇の大御所は何故かコサキンではアイドル(女性)扱いです。
加藤登紀子さんや安藤優子さんなどは「軍曹」と呼ばれ凛々しい男性扱いです。
そこにさらに「毒」が入ります。小堺さんや関根さんはテレビではその毒を一切吐きません。タレントの話を盛り上げたり、褒めたりする役をこなしています。
この番組はラジオの魅力の毒のない、ネタが投稿されています。ネタ的にはセーブがかかっている為、私はなぜか笑えませんでした。
この番組では面白い作品に諭吉賞と言って1万円もらえました。ラジオでは多分コサキンさんの古着とかラジオグッズだったような気がします。
「これで1万円?」リスナー的に言えば、山口崇さんがテレショップの番組でソファに横になり、値段を聞いたら飛び上がり「これが1万円?」と聞いたことを思い出しますが、
そんな事はどうでも良いです。
でも面白いものもありました。それは
「秀治の部屋」です。
これはコサキンのテーストを出したリスナー向きのコーナーでした。大滝秀治のモノマネをする関根さんが部屋で過ごしている所のコントです。
例えば、ドラマの「北の国から」の自分のシーンだけを収めたビデオテープを見ようと思うんだけど、ビデオデッキがないから見れなくて悲しくなる。とか
和久井映見さんのポスターに話しかけ続け、最後には「映見はいつも沈黙…」と言ってみたり、
リスナーは嬉しいですが、ご覧になったことのない人は「?」となると思います。
さらに、3ヶ月後に大滝秀治さんのコントを拡大した「秀治と嫁さん」というコントをやっていました。
小堺さんが大滝家の嫁になり、大滝さんをいびると言うものでした。これも「コサキン」で有名な「コント劇場」の流れで面白いのですが、
一般の方は「?」です。つまり、リスナーの視聴者とそうでない視聴者の見方が全然違っていました。
当時人気者だったルー大柴さんが流行っていたゲーム「パチパチ7」って言うゲームの進行役をやったり
お父さんに女装させたりと最後の方は訳が分かりませんでした。
この番組の山場は「秀治と嫁さん」のコントで
嫁「あなたはお父さんじゃないわ。本当のお父さんはここにいるわ。お父さん!」
と言って本物の大滝秀治さんが来た回が一番の山場でした。確か、偽大滝と本物が将棋対決をしていたシーンですかね。
そして打ち切りが決まり、最終回放送の後のラジオの「コサキン」の冒頭で関根さんが言ったのが最初に書いた言葉です。
結局、この時間帯はドラゴンボールがやってたり、連想ゲームがやってたり、家族や子供はそちらをみるでしょうし、リスナーがみんな見たって深夜ラジオの聴取率は多くても0.6ぐらいですので難しかったと思います。
テレビの顔とラジオの顔は別であるべきだと思いました。
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