これからの家族のかたち
34年前、長男を出産した。
今、社会問題となっている少子化は、このころから度々ニュースに取り上げられるようになった。
この34年間、少子化対策の予算として、どれくらいの額が当てられてきたのだろうか。
ひとりの女性が生涯で産む子供の数が、1.20人という統計が令和5年の調査結果だそうだ。少子化が続けば、急速に減少してしまうのは誰の目にも明らかだ。
少子化対策として、叫ばれているのは、男性の育児休暇の拡充、女性の育児休暇中の所得増加、児童手当の長期化、幼児教育費無償化などや、3人目出産時には自治体がお祝い金を支給するなど、あらゆる角度からの施策である。
しかし、子育てを経てきたわたしには、どれもピンとこないばかりか、全てが一過性のものであり、ありがたいけれど、だからと言って子供をもうひとり産もうという意思決定につながるかと言えば、そんなことはない、何かがずれている、という歯がゆさを感じてしまうのだ。
そうじゃないんだ!そこじゃない、と。
つまり政治家は大多数が男性で、しかもお金持ちが多いだろうし、女性だとしても、特別優秀だったりお金持ちで人並み外れた強い意志をお持ちだろう。私たち庶民の、中でも立場も経済力も弱い女性たちの事情を誰が身をもって理解できるだろうか。
無知で経済力の弱い、わたしのような庶民の女性でも、経済的に心配なく子育てができる環境が必要なことは、言うまでもなく、もし、今、子供を産もうか迷っている女性に必要なことはなにかを掘り下げて考えなければならない。
キャリアを諦めないでいい出産や育児、時短勤務が普通にできる環境、女性を取り巻く男性の意識改革、父親の家事育児をバックアップする経済的、意識的な改革、学校教育から家事育児の平等な教育を推進していくこと。等など、少子化対策には最大限の予算を割くべき時は今なのだと、心してほしい。
Z世代が政治に期待せず、耳を塞いでしまわぬよう、本気の改革を推進して欲しい。これからの人たちに、これからの家族のかたちを描いてもらえるように、結婚も出産も希望に満ちたモノに思える頃には、イクメンとかワンオペ育児が死語になり、子供がぐずって泣いても、ママに舌打ちをするオジさんが非難を浴びる社会になっているはずだ。
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