[映画]「コーダ あいのうた」感想

最近映画を観ては感動して泣くことが多い。
例に漏れず、「コーダ」でも私は泣いた。
何がそんなに私を泣かせるのだろう。

私がこの映画でぐっと来たポイントは、

①お母さんがルビーにコンサート用のドレスを手渡す

母親が娘を想う気持ちが一番感じられて泣けた。
お母さんはルビーが歌うことに反対だったのに、こっそり娘のためのドレスを用意している。自分としては、子供が自分の理解の範囲を超えることをやってほしくないけど、でも娘のやりたいことを応援したい気持ちはあって…
私は親子の愛情に弱いんです。私も親に愛されて育ててもらった自覚があるから。親の愛情も人情というか、そういうのに弱いんだな私。
あと、ルビーが生まれたとき聴者でがっかりしたという話をお母さんがした時、それがリアルなんだろうなと思った。子供だけはまともに耳が聞こえてほしいんではなくて、自分と分かり合えないだろうから聾者であってほしかったっていうのは、それが人間が思う事なのだろうと。

②耳が聞こえない家族視点のルビーの歌唱
視聴者が一番聞きたいであろうルビーの一番の見せ場で、聾者の家族視点のルビーをみせるあのシーンが、一番家族に感情移入できた。
周りのお客さんはみんな自分の娘の歌声に聞き入ったり、感動して泣いたりしているのに、家族である自分たちだけが聞こえない。
家族は娘の歌声が聞こえないことに悲しんでいるのかと思いきや、周りの反応で、娘に歌の才能があることを確認して喜んでいた。
そういう意味では私は家族に上手く感情を同期させられなかったけど、そういう見せ方もあるなって勉強になった。

③音楽大学のルビーのオーディション
一番は歌が聞こえない家族のために、手話で同時通訳しながら歌うことが感動した。なんでそれやらないんだろう、やっぱり難しいからやらないのかなとか思ってたけど、最後のここにもってくるためにやらなかったのかな。
とにかく、ルビーの家族への思いが伝わって良きシーンでした。泣いた。
ルビーが自分のスタイルで歌を歌っていこうっていう姿勢も見れたシーンで、ようやっと主人公が自分の人生に前向きに生きていく希望を見出したシーンなので、そこも相まって素敵。
やっぱり最後は希望を持たせてくれる作品が好きなのよ結局。人生楽しくいきたいじゃん??

〇他の好きポイント
・彼氏と無邪気に遊泳してるシーンも好き。ほんと可愛らしい。
・ルビーのパパとママ、自由奔放すぎて可愛い。あけっぴろげで、あんなに明るい人同士で結婚できたの最高すぎるな。
・あとお兄ちゃんもちゃんと妹の生きたい道を行って欲しいって気持ちがあってよかったな。多分長男の自分がいるのに、妹なしじゃ家族がやっていけないことに関して思う所があったのは確かだけど。まっすぐで、卑屈でない兄のキャラクターも好きだったな。


手話による会話で物語が進んでいく作品を見たことがなかったから、その点で新鮮に感じた。手話で話してるシーンは後ろの音とかもなく、完全にその会話で生じる音しかなかったから、普通の映画よりリアルなシーンを目にしている感じがした。(演者さん手話覚えるの大変だっただろうな…)
手話での会話が本当にスムーズで、全く違和感なく見れた。すごい。
手と手がぶつかって出る音とか、感情が高ぶって口からでた音とか、話してるときの表情の豊かさとか、いろんな情報で伝えたいニュアンスを手話をしながら伝えていて、なんというかその点では普通の会話と変わらないし、そこがリアルさがより増した点なのかなと思う。

以上、鑑賞感想でした。


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