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店主に『なる。』 なるのだ。

自分のお店を開店した時、立場はオーナー、店主とか
経営者の肩書になるのですが、経験としては、一年生。
何年もかかって、名実ともに『店主』になっていくのですよね。

店主(経営者)ってなんでしょう。

数字を見て統括的に物事を把握して、クレームやトラブルや、方針やメニューや、
スタッフや、売上や、なんやかんや色んなことを処理して、
もちろん仕事もやって、ということが否応なしにあって、
自分の好きな『料理を作っておもてなしをして。』というのはごく一部で、
圧倒的にそうじゃない仕事のほうが多いです。

またそうじゃないといけないのかも。
厳しいですね笑
特に個人事業主は何でもしないといけない。
忙しさにグルグル巻きにされています。


最初からできる人はいないから。

最初は気持ちがそこまで及んでいないというか、
気が付かないというか、お店を開けて閉めるまでの業務に必死で、
正直『経営者』の自覚もスキルもありませんでした。
離婚して、娘を連れて実家に戻った頃、
まだ両親は現役で、私は『家事手伝い』の気分も抜けず、
テーブルを拭きながら『私はこんなところにいる人間じゃない。』などと
ほざいておりました。

甘えていましたね。
そんなだから、
壁にゴンゴンぶち当たって、恥をかいて、
お客様の前でボロボロ泣いたこともあります。
田舎の食堂なんてもう古い。とも思っていました。

きっかけがある。

最初はそうだった私も、いろんなことが重なり、
『自分はこれで食べていかなきゃ、もうツブシがきかない。』と思ったことで、
意識が変わりはじめました。
親が引退し、私が代表になり、経験を積めば積むほど、
仕事がどんどん好きになっていき、もはや天職。
もういっぱしの女将になっていました。笑


スイッチが入ると、
庶民的で創業年数も長く、
何十年も通ってくださる常連さんがたくさんいて、
親子3代でご贔屓のお客様もいらっしゃる。
こんなに長く愛される店って、あるだろうか。と、

田舎だからこそ、どんな年代の人も気軽に立ち寄れる親しみやすい店。
お客様を選ばない、間口の広い店こそ生き延びることを再認識するのです。
と同時に、両親が創業した店を絶やさず、私がもっと繁盛店にしてみせる。
と思うとわくわく楽しくなるのでした。

そして店主になる。
 

ここまで20年経ちました。
近道はない。
一歩ずつ悩んで失敗して、考えて進むしかないんですね。
ショートカットしても、またどこかでぶつかるから。
ベタでもそうやって進んだら、経験値もきっと上がって、度胸もつく。
悩んだ数ほど不安が減る。


しかし今のコロナ禍で、全く手探りの状態が続いています。
飲食業は、真っ先にダメージを受け、先の見えない長い戦いが続いています。

試練は続くけど、いっしょに乗り越えましょう。
私達店主は、きっと試されている。
田舎の食堂もしぶとく生き残っていますよ。

コロナが終わったら、『あんなこともあったね、鍛えられたわー。
と言ってやる。

50代の私もまだまだ。
あなたのこと、応援していますよ。

今日もありがとうございました。



読んで頂きありがとうございました。 頂いたお気持ちは、 感謝を込めて『恩送り』いたします。