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彼女の貴重な時間を奪いたくない。

長女は中学受験はせず学区内の中学へ進みました。二人に一人が中学受験組と言われている地域ですが、私たち親娘は、中学受験の検討も、もちろんリサーチも一切せず、今夢中になることにさらに没頭する、が目的の毎日でした。
家から徒歩4分で到着する校舎。さらに栄養バランスの考えられた給食をいただけることは、とにかくありがたいことです。栄養のプロフェッショナルが考案したメニューを、長女はたびたびおかわりしたようでした。今日はおかわりジャンケンに勝った!負けた!と、よく報告してくれました。

部活は同じ小学校の友人の誘いで、バスケ部に入りました。土日にも練習や他校との試合へも出かけていく長女。お弁当を作り、水筒とともに持たせる私。
帰宅し、黒ナイロンの大きなバックパックをドサッと床へ下ろす彼女。私は「お弁当箱、忘れないうちに出してね」と声をかけた。
巾着を開き、お弁当箱を開き、箸箱を開き、中のおかずカップを捨てている。長女。

「やらなくていい」
咄嗟に思ったし、咄嗟に私の口から出た。
「そんなことに君の時間を投げるなら、本や漫画を読み耽ったり、ハンドリングしたり、好きな世界に没頭して。ごめんね。」
と言ったと思う。ごめんね、と言った記憶がある。

彼女が、ハリーポッターの本やミステリー小説や少年漫画を読む時間は、なかなかとれなくなった。小学校の頃は、児童館へ通い詰め、タスケやドッジボールで走り回り汗をかき、図書ルームでは本に没頭していた時間。これからはそうそうない。彼女は中学生になった。塾も通い始めた。

没頭せよ

好きな世界に

それだけが、私から君への要望。私の願いです。
時間は有限だから。省けることは省きなさい。

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