『硝子の塔の殺人』 知念 実希人 著
一条 遊馬(いちじょう ゆうま)が閉じ込められているシーンから始まる。
そして、そこに至るまでの4日間をこの遊馬の目線で語られる。
場面は戻り雑誌の編集者、霊能力者、小説家、刑事、そして名探偵などが硝子の館に招待され大きな発表が行われる。がその発表前に館の主人の神津島 太郎(こうづしま たろう)が密室で毒殺される。
そこから始まる連続殺人だが不可解なことがたくさん起こる。
時々感じる人の気配。
自分ではない殺人。
13年前の事件と最近起こったOL失踪事件。
急に様子が変わるメイドの円香(まどか)
3人目の被害者が出たあと自分に嫌気が刺す名探偵 碧 月夜(あおい つきよ) など。
そして少しの謎を残して事件は解決する。
その残された謎が分かった時、今まで何を読んでいたんだ?と全てがひっくり返り頭の中で猛烈にストーリーを思い返すことになる。
とにかく、たくさん散りばめられた 謎が全て回収されるラストに思わず「スゴい!!」と声に出しそうになる。
最初から読み返すと人物のキャラが全く違って見えてくる。
あの態度は、あのセリフはこんな意味があったのか!!と自分のミスリーディングに気持ちいいほど気づく。
再読してこの小説の凄さを改めて実感する。
作中でミステリマニアが小説を書いたら駄作だったとあるが、この小説はミステリマニアが描いた最高傑作の小説になっている。
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