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#平野啓一郎

『ドーン』 平野 啓一郎 著

『ドーン』 平野 啓一郎 著

近未来の物語で火星に行った宇宙飛行士たちは何かを隠している。
それは政治、戦争、格差、人格が複雑に絡み合う小説。

この小説を読んで衝撃なのは「分人」というもの。
これは一人の中にある自然と使い分けている人格の事。

親といれば親に合う自分になり、会社に行けば会社に合う自分になる。友達に合う自分になるし、細かく言うと中学、高校、社会人と友達の中でも微妙に違う自分になる。

これは演じているのでもな

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『ある男』平野 啓一郎 著

『ある男』平野 啓一郎 著

事故死により明かされる真実。
夫は他人の名前で、他人の人生を語って結婚し生活していた。
では、夫は誰なのか?

他人の人生を自分の人生として生きる。
他人の過去を自分の過去として語り、起きたことも自分に起きたように語る。では、今の人生は偽ることで生きれた人生なのか。偽らなくても生きれた人生なのか。

本当の自分とは何なのか。
自分の人生を誰かが生きたら、自分より上手に生きるんじゃないだろうか?

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