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坂本龍一さんの音楽と私。

坂本さんの曲がとても好き。
音の重なりがとても美しくて、一音一音全てに、癒しがある。

「aqua」をピアノで弾いていると、エモーショナルで端正なこの曲の世界に引き込まれる。

たくさんたくさんある、好きな曲。

私が坂本さんを知ったのは、なんと「電気グルーヴ」が入口。(こんな人、私以外にもいるのかなぁ。)
高校時代、親友が「これいいよ!」って電気グルーヴのアルバムを貸してくれて、すっかりテクノに夢中に😍
試験勉強しながら「電気グルーヴのオールナイトニッポン」を聞いていたら、何と電グルのまりんや卓球さんの原点はYMOだと言うではないですか。

聞いてみると、ずっと前の曲なのにかっこいい!たくさん聞いた中で、特に「東風」が好き。誰が作ったんだろう…からどんどん坂本龍一さんの曲を聞くようになった。

映画音楽も素晴らしい。聞くと涙が出てくるほど心揺さぶる旋律。「戦場のメリークリスマス」のメインテーマは「AVEC PIANO」という楽譜を買って練習し、「ラストエンペラー」と「リトルブッダ」は映画を見に行った。アカデミー賞受賞も、ニュースでリアルタイムで見た。

お小遣いを貯めては、CDアルバムを集めていった。音楽図鑑、メディアバーンライブ、千のナイフ、プレイングジオーケストラ、未来派野郎…。沖縄民謡や、世界の民族音楽に触れたのも、坂本龍一さんの曲からだった。

高校3年生の12月。当時完成したばかりの「ハウステンボス」で、坂本龍一さんの「playing the piano concert」があった。

世界で1番尊敬していて、憧れていた神みたいな存在。1秒たりとも逃すまいと、集中して聞いた感動の時間。

終了後、何とドキドキしながら出待ちをした私たち。最後まで残っていたのは、私たち高校生2人と、もう少し年上のカップルの合計4人。だいぶ待ったけど、出てくる気配はない。そうだよね、コンサート後で疲れておられるだろうし…と思っていたら。
スタッフと一緒に、坂本龍一さんは出てきた。

そして私たちに気付いて立ち止まり、深々とお辞儀をしてくれた。

長崎の端っこ。田舎の高校生の私たちに。

緊張しすぎて、胸がいっぱいで、何をお話ししたかも覚えていないのだけれど、「坂本龍一さんが作る音楽が大好きです。」ということをお伝えした。(うまく伝えられたのだろうか?)坂本さんは、もしお会いできるならと持ってきていた「playing the orchestra」のCDに、サインをしてくださった。

夢見心地でお見送りし、友達と2人嬉しすぎてわんわん大泣きしながら帰ったのを覚えている。

今でも、夢だったのではないかと思うほど、奇跡のような幸せな時間だった。

先日、NHKのサラメシで、坂本龍一さんのお気に入りの店が放送されていた。

そのコーヒー店の方は、坂本龍一さんがお店を閉めてる時に通りかかり「今終わり?雨の中ご苦労様。」と声をかけてくれたエピソードを話していた。

そういう小さいところに、心は宿る。人の本質は現れる。

そしてそれは一生、相手の心に残る。心の真ん中を、じんわりと温める。

美しい旋律とともに、ずっと。

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