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心が動くのは「人」からの提案

みなさんこんにちは。
さて、昨今ITツールの発達等により世の中の概念が大きく変化してきています。その中でも特に昨年から注目を集めているChatGPTは提供から僅か2ヶ月で利用者が1億人を突破したそうです。(ちなみにインスタグラムは30ヶ月)まさに驚愕のスピードだと思いませんか。それだけ目まぐるしく世間は変化しています。そして今後あらゆる業界において平均で40%の労働が、これらのいわゆる「ジェネレーティブAI」によって消滅するとも言われております。

そんな中、これからは「人の価値」をどう表現していくかがより重要になってくると考えています。目指すべきは高い次元での「人とAIの共創関係」ではないでしょうか。

我々のサービス業、外食産業でも「省人化」のイノベーションはものすごい勢いで進んでいます。数年前までは大手チェーン店での導入がメインでしたが、直近では小規模の店舗でもタッチパネルや配膳ロボットなどを見かけることも珍しくはなくなりました。そんな中で「人」の果たすべき役割は何でしょうか?

最近飲食店に行ってガッカリするのが、従業員がタッチパネルや配膳ロボットと同じように機械的に業務をこなす姿を見ることが多いことです。自動化された環境で働く中で、まるで人がシステムに支配されているようにすら感じます。これはまさに「消滅する40%の業務」に該当する部分となるでしょう。

省人化により経営効率を上げることができます。しかしながらそれと同時に業態の「同質化」が進行していくとも言えます。同じような「効率化」された店舗が増え、そこでは商品そのものが持つ機能的な価値でしか勝負することができなくなります。

なぜなら機械化では人の心は動かすのは難しいからです。革新的なものも驚きがあるのは最初の1回だけです。

コロナ禍で生活様式が変わり、人と人との距離を取るようになりました。フードデリバリー、リモートワークやリモート会議などがある程度定着しつつある中で、3年が経過し徐々に反動の流れが起き始めています。最近では「体験型」のイベントやアクテビティーが人気を集めたり、アナログな「昭和レトロ」の人気が定着してきたりしています。やはり人間は人との繋がりがないと永続的に繁栄することはできないのだと感じています。

外食産業でも、トレンドは個人店や小規模チェーン、ローカルチェーン、専門特化店などになってきています。
こういった店舗を利用される方は、大手チェーンでは体験できないアナログな価値を求めていると思われます。

ただ、商品名伝えて「お待たせしましたー」と提供するだけでは、配膳ロボットと同じ価値しか生みませんが、例えば「そのままお召し上がりいただいても美味しいですが、後からこちらのタレをかけてみてください。より深みの増した味わいになりますよ」などど伝えられたらどうでしょう?ちょっと心が動きませんか。ドキドキが増しませんか?これこそが「人」だからこそ表現できる価値なのだと思います。

これは聞いた話なのですが、ある居酒屋で「麻婆豆腐」がメニューにあるのですが、全く売れなかったそうです。1人前だけ注文が入ると作るのに手間がかかるので店主は販売をやめようとまで思っていました。しかし、そんなある日「麻婆豆腐」の注文が入った時に、店主の思いつきで他のお客様にこのように声をかけたそうです。「今から麻婆豆腐を作りまーす!ご注文される方はいらっしゃいませんか?」すると、客席からパラパラと手が上がり、結局3食の注文が入ったそうです。それ以来、この方式を継続した結果「麻婆豆腐」が人気になったのですが、今ではメニューに注文不可と書いてあるそうで、店主が「作りまーす」と声をかけた時にだけオーダーできるそうです。不思議だと思いませんか?メニューに書いてあって出ないのに、声をかけることによって人気メニューになったんです。

これは「麻婆豆腐」という商品を売っているようで、実際は「限定感」「臨場感」「本物感」といった楽しさの要素を「麻婆豆腐」というツールを使って提供していると言えます。これこそが「人」にしか提供できない価値なのだと私は思います。

私の好きなスターバックスミッションのOur Custtmerという項目には次のように書いてあります。『心から接すれば、ほんの一瞬であってもお客様とつながり、笑顔を交わし、感動体験をもたらすことができます。完璧なコーヒーの提供はもちろん、それ以上に人と人とのつながりを大切にします。』

スターバックスはコーヒーショップであるにも関わらず「コーヒーよりも人との繋がりの方が大切だ」と公言しているのです。この精神がパートナー(従業員)に浸透しているからこそ、スターバックスは驚異的な成長を遂げたと言っても過言ではないと思います。

生成AIの進化に伴い、ただ「仕事がなくなる」と恐れるのではく、我々人間の精神も進化させなければならないと感じています。AIの得意分野は最大限活用しながら、人は人にしかできない価値を最大化する。これこそ高い次元での「人とAIの共創関係」ではないでしょうか。

人の可能性は無限大ですね。

読んでいただきありがとうございます。

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