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販売数=企画力×商品力×販売力

みなさんこんにちは。
街を歩いていると、様々な飲食店で新しいフェアーやメニューが打ち出されているのを目にしますよね。

季節感のあるものや、期間限定、数量限定など見ているだけで楽しいものがたくさんあります。当然その裏側ではお店や企業でそういった企画や商品を一生懸命開発している人たちがいます。

毎年定番になっているものや、パッと見て味の想像ができてわかりやすい商品は、比較的販売数が伸びやすいと言えるでしょう。

一方で、開発者肝入りの商品でも、一般消費者に馴染みの薄い食材や味付けであると販売数を伸ばすのに苦労することが多々あると思います。

なぜなら、人は物を買う時に「できるだけ失敗したくない」という心理が働きます。

「注文してみて美味しくなかったらどうしよう」
「やっぱり定番が良かったって後悔したくないな」
こういった意識が先行するので、よっぽど自分にとって魅力的でないと、チャレンジしようという気分にはならないものです。

なので、期間限定メニューを売るには、その心理を乗り越える「何か」が必要なのです。

その「何か」は商品の味であったり、希少性であったり、開発のストーリーであったりします。しかし、それらはメニューに書いてあるだけではお客様になかなか伝わりません。

具体的に伝える努力をしないと、お客様には伝わらないでしょう。

私は商品販売の法則は下記のように成り立っていると考えます。

販売数=企画力×商品力×販売力

販売数を伸ばすためには、優れた企画や商品の品質がいいことももちろん大切ですが、それだけでは大きな実績を残すことがなかなか難しくなってきています。

日本の飲食店は世界の中でもレベルが高いとされ、数も多いです。だいたいどこのお店に入っても、適正な価格で美味しい商品が食べられます。

消費者としては非常にありがたいことですが、経営的な視点で考えていくと、美味しくて安いだけでは差別化できないということになります。

新規開業する飲食店の実に半数が、1年以内に撤退しているという現実がそれを証明しています。

企画力も商品力も非常に大切ですが、やはり最後は販売力であり、人の力に頼る部分が大きいのではないでしょうか。

売りたい商品をただ押し付けるのでなく、お客様のニーズを汲み取り、わかりやすい説明でベストと思われる提案をする。自分が好きな商品や、情熱を持っている商品ならそれをしっかり伝える。

こういったことを愚直に続けていくことが、大きな差別化となります。

外食産業は最後まで残るアナログ産業だと言われております。
大手チェーン店などではオートメーション化が進んでいますが、飲食店での作業は煩雑な上に、反復性が低いものが多く、コストで考えた時には、オートメーション化が必ずしも最適とは言えない側面もあります。

そしてサービス業の生命線でもある、お客様との繋がりに拘ってるチェーン店は明確に成果を出しています。

私の大好きなレストラングループの「HUGE」は大箱のレストランを何十店舗も運営していますが、注文は全てウエィターが手書きか暗記で取ります。
非常に非効率に感じられますが、お客様との自然な会話やアイコンタクトを大事にしたいとの想いから実践されているそうです。

さらには、日本で約1900店舗を展開し、今なお、飛ぶ鳥を落とすような勢いがあるスターバックスではセルフレジを導入していません。アナログでの接客を大切にしながら、急いでいるお客様に対してはモバイルオーダーが浸透しています。実に絶妙な戦略です。同じシアトル系であるタリーズは一部店舗でセルフレジを試験導入しました。このあたりも戦略の違いが見えていますね。

「販売力」とは人と人とのコミュニケーション。そこから心が動いて「買ってみようかな」となるわけです。

人的投資には、時間もコストもかかりますし、やり切る強い信念が必要です。ここを乗り切っているお店、ブランドはやはり強いですね。

日本における外食企業の最大手であるマクドナルドは、とてもシステマチックなイメージがあるかもしれませんが、日本での創業より先に「マクドナルド大学」を設立して人づくりに取り組んできました。

マクドナルドを世界に広く広めたレイ・クロック氏は、「我々はハンバーガービジネスではなくピープルビジネスだ」と公言しています。永らく第一戦で成長を続ける背景には、人が最大の差別化要因であることを理解していたからこそのことでしょう。

商品が売れるかどうかは、商品力や企画力も大事ですが、最後は販売力です。そして継続性があるのも人がつくりだす価値です。

自分がお薦めした商品をお客様に買っていただいて、喜んでいただけた時。 

飲食業やサービス業に関わる人にとって、一番楽しい瞬間ではないでしょうか。

これは、AIにはできないことです。働く人が自分らしく輝ける場所。飲食業にはそんな魅力があります。

読んでいただきありがとうございます。



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