ヨーロッパを揺るがした、二つ刑死

 ヨーロッパの精神を規定する2つの刑死がある。
 一つはイエス・キリストと磔刑。もつ一つはソクラテスの毒殺刑である。
 この二つは大きく違うもの、よく似ているところがある。
 違うところは死を受け入れたか否かである。
 キリストは最後の神を呪ったがソクラテスは国を呪わなかった。
 これは、エゴの強烈な差異にある。
 イエスにエゴはなかった神と統一していた。 
 ソクラテスは強烈なエゴが支配し精神そのものであった。
 似ているところは後の著述家によって伝説化したところである。
 ギリシアの精神とヘブライの精神の統一は二つの刑死によってある種の統合されたのでないだろうか?

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