【インスタントフィクション】 旧友との再会
入学式で、私は顔見知りと会った。
「ひさしぶりだね。元気?」
「うん。まあまあだよ」
前に会ったときよりも、顔つきも身体つきも変わっていて、びっくりした。
「その服、にあってるね」
「ありがとう。そっちこそ、ズボンと靴下の組み合わせがいいね」
「本当は、もっと丈の長いズボンがよかったんだけどさ。親が短い方がにあうって、きかなくって。ねえ、変じゃないかな」
「にあってるよ。今しか着れないからいいんじゃない」
「そんなもんかな」
ちょっと照れたように頭をかく癖は、出会ったときに見た姿とそっくりだ。
ガラス二枚ごしに、きみは短い手で頭をかこうとしていたもんね。
かゆすぎるとか言ってて、私は笑っちゃったのだけど。
「そろそろ、親が心配するから私は行くね」
「同じクラスになったら遊ぼうな」
「どうだろ。私あまり頭よくないからなあ」
「大丈夫だって、赤ちゃんのとき、もう会話できたじゃん」
「そうだね」
私は、GCUでの戦友とわかれた。