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自作【毎週ショートショートnote】まとめ

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途中参加している毎週ショートショートnoteの記事だけをまとめたマガジンです。
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#3人

【毎週ショートショートnote】 秘密警察を宣伝してみる

「お久しぶりです。お二人とも」

次に泊まる旅行中の家めざして歩いているさなか、見覚えのある人に声をかけられた。

相棒は、あきれ顔だ。

「また、あんたですか…」
「ふふ、いいじゃないですか。私はお二人に適正があるから、声をかけているんです」

この人は、秘密警察に務める人事部なのだそうだ。

「犯罪組織からヘッドハンティングって、普通、しないと思いますけど」
「だからですよ。優秀な人材であれば

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【毎週ショートショートnote】 響く礼節をペンペンしてみる

「あんたは、いきなりすぎんだよ。俺たちは仕事してんだから、まずは、上司に連絡するのが筋だろ」
「しましたよ? 好きにしろって言ってました」

相棒は舌打ちした。
うちの組織は、放任主義の傾向が強い。上司に連絡したのは、嘘ではないだろう。

「許可をわざわざとってくるなんてな」
「ええ、いつもびっくりするのですが、毎回、上司が違いますよね」
「うちは、上を目指せば目指すほど、だれかに殺される可能性が

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【毎週ショートショートnote】 訓告したいの四六時中

「川井! 俺の曲、イヨさんに聴かせたのか!?」
「ダメだったの?」
「ダメじゃない! ダメじゃないけど、けど…」

小番が雄叫びに近い悲鳴をあげた。

「うるさい」
「うるせえ! 俺だって、俺だってなあ!」

いなちゃんは、やれやれとため息をついた。

二人が話してるのは、小番の曲の譜面を勝手にイヨさんに教えたことだろう。
イヨさんから、ひさびさに、とんでもない曲を妹から聞いたと教えてもらい。

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【毎週ショートショートnote】 強すぎる数え歌

ワンッ! と一匹、犬が鳴きゃ

トゥッ! と二匹の鬼が来る

トゥリィィッ! 三本、だんご持ち

フォォォッ! 四羽のキジが飛ぶ

ファイッ! 

「このつづきが、思いつかなくてね」
「イヨさんでも、作曲に詰まること、あるんすね」
「ははは。そりゃそうだよ」

あれ? 俺、いらなくね? という疑問が常に浮かぶ。

俺こと狩田は、いなちゃんの頼みで、イヨさんと小番との飲み会の場をセッティングした。

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