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中学以来の書道が楽しかった

 もともと母は無趣味だと思うが、脚が痛むようになってからとても出不精になり、運動不足はもちろん何に対しても意欲が薄れて認知症にすすんでいるのではないかと不安でならない。
 本当は、デイサービスでも利用してもらって、脳に刺激を受けて元気でいるとともに友人の一人もつくってほしいし、私も頼りにできるケアマネージャーと知り合いたい。
だけど、別に行きたいとも思っていないところに行くのは、母にとって「強制」になって、ものすごいストレスらしいので今以上にはすすめられない……
 頑固さが増してきた母の機嫌を伺いながら、楽しいおでかけの計画を立て実現させるのに苦労している日々。

 ところで、近所に高齢者サービス付き住宅があり、その住宅の一階には高齢者を意識した食事店と運動も可能な一室があって、季節のランチや演奏会や編み物教室や体操教室などの催しが開かれているのを通りすがりに見ていた。
喫茶店のようなその食事処は、閉店後の夕食時間には居住者らしい老人たちで満席になっているので、その高齢者サービス住宅に住んでいる人専用のものだとずっと思っていた。
が、最近になって、各種催しも近所の私たちも参加可能だと最近になって知って、ランチを食べにいったり、演奏会を聴きに行ったりしている。

 その食事処はさすがに提供される食事のひとつひとつが柔らかくて、しかも混雑しなくて静かなので母も次第に気にいり、何度か食事をしたり演奏会に行ってみたりするうちに他の催しにも参加する気になってくれた。
 そして、今回、コロナで中断していた書道教室が再開するとのことで、母娘で参加させてもらうことにしたのである。

 使い慣れた道具を持っている人は持参してもよいが、基本道具はいらない。
手ぶらでOK、ありがたい!😂
 食事処のテーブルにビニールのクロスを張って、新聞紙のうえに習字用の下敷きを敷き、先生の朱の見本をいただいてすぐに半紙に書きはじめる。
指導はなし。
新聞紙で飽きるほど練習するのかと思いきや、指導もなくすぐに半紙に書いてよいといわれると、何十年ぶりに筆を持つ身としてはかえって委縮してしまう。
 添削はしてくださるが、さすがは高齢者介護の資格を持つ先生で「褒めて伸ばす」を徹底していて朱墨は〇ばかり。
優しい嘘だとはわかっていても気分はあがる。
半紙を使いすぎないように集中して欠点をなおすように書いていると、5枚ほどでもなんとか満足する出来のものが書けた。
中学で書いていたときより数倍楽しい。
(だけど、全員書いたものを店の壁に張り出すというのは気がひける……まあ、ヘタな習字をみた別の高齢者が自分のほうがうまそうだと参加のきっかけになればそれでいいのか😅)
 後片付けもスタッフの方がやってくださる、ありがたいことです😅😅

 どうだろう、中学生以来の習字にしてはまあまあまとまっているほうではないだろうか。
添削分も含めてゴミをださないように書いた半紙を持ち帰ってきたので、いま我が家はリビングはもちろんトイレにまで母と私の習字の半紙が張ってある。
 ……小学校の壁のようで、なんだか懐かしい😊
(が、少しうっとうしい😅)

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