【プロレス】SNSによって生じる推すに推せないモヤモヤ感

日本には数多くのプロレス団体があり、フリー含め多くの選手が存在している。そして毎日と言ってもいいほどどこかで試合が行われている。
どの団体を見るか、どの選手を応援するかは人それぞれ、応援のしかたも様々。
最近では動画配信サービスやSNSなどのおかげで今まで知らなかった団体や選手の試合内容や結果を見ることができ、複数の団体を見ている人も多いことだろう。

SNSに投稿されるリアルタイムの感想によって、現地にいなくてもライブ感を味わうことができ、配信を見ながらでも情報を共有することができるようになったのはプロレスにとって大きな進化と言えるだろう。
一方で、全世界に拡散されることでそれを見た不特定多数の人が不快になるような発言や批評も少なくない。それだけならまだいいのだが、発言がより過激になっていくとその人が応援している団体や選手も同じような目で見られてしまい、この人に近づくのはやめようと新規ファンが増えなかったり既存ファンが減少する可能性も。

今回はSNSによって生まれたメリットと問題点、好きを公言できないモヤモヤ感について書いていく。

まず前提として、今回の話はプロレスに限ったことではなく、SNSを活用する人は全員気をつけておくべきことである。

SNSを利用する大きなメリットは情報をいち早く伝える、知ることができる点だろう。公式(ここでは団体を指す)やファンがリアルタイムに情報を発信することで多くの人が同時に情報を得ることができる。
他にもSNSの機能を活用して多くの人に宣伝する方法がある。Twitterでプレゼント企画でリツイートをさせることで参加者はプレゼントを得るチャンスが与えられ、公式は多くの人がリツイートしてくれることによって新規ファンの獲得に繋がる。多くの人が同じハッシュタグをつけて投稿すればトレンドにのり、これまた多くの人の目に留まるようになる。

一方で、SNSには気をつけなければ最悪の事態を引き起こす悪い面もある。
自分が思うSNSの問題点は、選手とファンや、ファン同士の距離が近くなったことである。もちろん距離が近くなること自体はいいことであり、応援している気持ちを伝えやすくなったり、推しを共有したりと交流を深める点ではいい面だろう。
しかし、先程も述べたように、発言は全世界に拡散されるため思わぬ捉えられ方をされたり、言い方ひとつ変えるだけで誰かを不快にさせるなど気をつけなければ炎上する恐れもある。選手や公式に対してここが嫌いだああいうやり方はファンを減らすぞなど偉くなったつもりで物申す人間も出てくる。
要は見たくないもの、見えなくてよかったものまで見えるようになってしまったのである。

このことが推したくても推せないモヤモヤに繋がってくる。
以下は自分語りも含めてモヤモヤ感にも触れていく。

自分は新日本プロレスをよく見ているが、新日本プロレスを悪く言おうとは一度も思ったことはない。長く見ていれば引っかかることは1度や2度あるが、先の未来を考えていい点に繋がるように解釈するし、わざわざそれを発言するほどか?とさっと流してしまう。
もちろん他の団体にも同じようにしている。どこかの団体を悪く言うのは自分も嫌な気持ちになって仕方がない。
悪く思ってもそれを口にしない。全員がそれをするだけで平和なプロレス応援をすることができるがそうはいかないのが人間。やはりどこかで嫌を発信し共感を得たいものなのかもしれない。

あの選手は試合の組み立てが下手だ、あの選手は他団体で偉そうにしてるなど…そういった発言をさも正論かのように語っている人を見てしまうと、まだ自分は純粋に楽しめてるなぁとつい比較してしまう。

自分は日本のプロレスにおいてブック(試合展開やストーリー)について文句を言うのもタブーだと思っている。あの試合で他団体の選手にいいように扱われた、あの団体が負けることで上手く華を持たせてあげた、この試合ではあの選手が負けるべき、みたいな試合結果が既に決まっているかのような発言もモヤっとする。ブックの有無は不明確だけどそれって選手に対してすごく失礼な発言じゃない?

ネガティブな発言は賛否を生む分注目されやすい。そういった発言を多くすることで注目を得る人もいるため承認欲求が強いと自ずと過激な発言になりがち。

これらの発言をいわゆるアンチがする分にはその人が悪いで済むのだが、一番厄介なのが上記のような発言を繰り返す信者の存在。応援する気持ちが強いのはいいことだが、その気持ちを他団体を咎める方向に使ってしまうのは非常にもったいないし、そういう信者がいると仮にその団体を好きになってもそういう人たちと同じ土俵に立つことを嫌がってファンを名乗るのを嫌がるようになる。しかし根底にあるのはその団体、選手が好きであるということ。だからそれに共感する人も多いので発言の問題性に気づけていないことが多い。だからこそ信者は厄介な存在なのである。

自分の推しを上げるために他を下げることははっきり言って間違っている。せっかくSNSで好きを共有できる時代なんだから、好きならとことん好きを発言してみんながハッピーになれるようなSNSの使い方をしましょう。

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