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自信なんてないけど歌ってみる

ビックリしている。
自分の人生で、第二章といわれる年齢になって人前で歌を歌うことになるとは。
そんな日がくるとは。ママさんコーラスサークルに入会した。
メンバーは子供の中学校のOBの集まりで、学年は違えど知っている人も多いので、手を挙げた。
コーラスサークルとは別のOBのライングループがあって、私はそこに残っていた。
時々動きがあり、普段は既読をつけるか、
「ありがとうございます」
「よろしくお願いします」
「楽しみにしています」
これでクリアしてきた面倒くさがりの私の元に(本当にみんな良い人ばかりで、退会させられても良さそうなものを)
コーラスサークルの文字が飛び込んできた。

今年の課題曲は
嵐の「カイト」
ミセスグリーンアップルの
「僕のこと」の二曲です。
もうこの辺を読んだ辺りで、鉄砲玉のように飛び出して、行ったきり帰ってこない。
行動力と言えば聞こえはいいが、後先考えない自分が前のりになって
「見学に行きます」と返していた。
嵐の「カイト」はいつ以来聴いてないかわからないけど大好きな曲。
ミセスグリーンアップルはちょっと良くわからなかったけど、なんとかなるだろう。

歌うのは好き。うまいかどうかはおいといて。
音程くらいはとれるんじゃないのかなぁ?
私もいくよーという友人と共にノコノコ行ってしまった。
懐かしい顔ぶれがいた。久しぶり!と声をかけたりかけてもらったりして、公民館の視聴覚室に集まった。
ここで会議とかしたよね。
懐かしい。懐かしすぎる!

その日は六人くらい集まって、最初は雑談をした。友人が「ちょろすの家は双子でね」とふってくれて、「えー?」となるんだな、これが。
リアクションも懐かしい。
私、こんなコミュ障だったかしら?
人と話すということがほとんどない毎日を過ごしているせいか、上手く話せない。
でも、だから楽しい。人と話すって楽しいな。
手元には二枚、今年の課題曲の歌詞が書かれたカード。
「じゃあやりますか」
現役の音楽の先生がいるから、まとまりやすそう。
みんなで円になりイスにすわって、音楽を流す。
「カイト」
こちらは覚えている。歌詞は全く覚えていないけど曲はわかる。
私ともう一人だけが初参加で他のママさんは去年と一昨年、二回ステージに立っているからキーについてあれこれ話し合ってた。
三あげる?
歌ってみる。
四いける?
歌ってみる。
女性キーにするとかなんとかかんとか。
私は、みんなで歌うから歌える。

横に座っていた先生に
「ちょろす、歌ってて出しにくいなってところあった?」と聞かれて
「へっ!?」と変な声を出してしまった。
授業を聞いてなくて、いきなり当てられたときのような声。
「出しにくい?出しにくいとは…?
わかりません。」敬語。

「わからないってことは出てるってことだね(笑顔)」
「そうなのかなぁ」

何回か通して歌って思ったことは、歌詞が覚えられない!
文字を辿っていくのに精一杯で覚えられないの!
知っている曲でこれなんだから、
「僕のこと」という歌は、どんな歌なんだろう?
前日に予習でもしてこいって話だ。
詰めが甘い。
まあなんとかなるだろう。
「僕のこと」
知らない歌。素敵な歌。
知らない歌だけど、そっーと歌ってみた。
何回も何回も。アレンジャー(みなさん)がキーを上げたり下げたりしながら、ついていった。
ついていっているのかわからないけど、歌った。先生がハモっている。
感覚で?らしい。
さすが。
先生に「あの、私のキーってどれだかわからないんだけど。これでいいの?」
「大丈夫だよーん!(笑顔笑顔笑顔)」

先生は今日耳で聴いた私の歌声を家に持ち帰り(頭の中で)パート分けするらしい。
なんだそれは?
絶対音感とかあるよね、きっと。

二時間の練習のあと、次回の日程を聞いた。

今年の本番は秋で地元のお祭りのステージや公民館のステージで歌うらしい。
衣装もなく私服で。
暗譜が出来なかったから歌詞カードを見てもいいよ!といわれた。

YouTubeで過去のステージを見てみたら、みんなでノリノリで歌っていた。

歌詞は覚えます!暗譜だ!あってる?
歌って聴かないと覚えられないんだな。
何回も何回も聴かないと。

やってみよう。やってみよう。楽しかった。きっとこれからも楽しいよね。

夏がくる。

それでは



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