君はなんて魅惑的なんだろう
ダメだ。
もう一度考えろ。
そうだ。
深呼吸して考えろ。
思考を捨てるな。
本当に必要か?
今 それが本当に優先するべきことなのか?
自問自答しろ。
後悔先に立たずというだろう。
そうだ 我慢するという選択肢もある。
それが実行された後のことを考えろ。
絶対後悔するぞ。
今まで何度同じことを繰り返した?
その度に自己嫌悪に陥ったことを忘れたか?
眠ればいいじゃないか。
ほら 夜勤明けで眠たいんだろう?
クーラーの効いた部屋でタオルケットにくるまって眠ろう。
きっと気持ちがいいぞ。
夢の中で楽しめばいい。
あ、コラ 冷凍庫を開けるな。
そこには重要なモノは何もない。
それを取り出しても何もいいことはないぞ。
良い子だからそれを冷凍庫に戻すんだ。
見なかったことにすればまだ間に合う。
あ、コラ それをレンジに入れるな。
なになに?
ひとつなら500Wで40秒ね。
いや きちんと説明を読んでいる場合じゃない。
まだ間に合う。
我慢しろ。
それを食べるな。
♬~
レンジが小気味よい音を立てて止まる。
ファンファーレかな?
手が勝手にレンジを開ける。
目の前の直径約10㎝の円盤型のフォルムからは湯気がのぼっている。
あぁ君はなんて魅惑的な姿なんだ。
ふわふわの感触。
中にはカスタードが待ち受けている。
君の存在は罪だ。
我慢できるわけがない。
我慢するなんて君に対して失礼だろう。
僕の身体なんてどうなってもいい。
君を食べたい。
その欲求に従うよ。
あんこの君も素敵だけど、やっぱり僕はカスタードの君の方が好みだ。
体重?
ダイエット?
そんなもの君の前じゃ ただのでたらめな数字だ。
なんの意味も持たない。
それに誘惑してきたのは君の方だ。
責任をとってもらわないと。
それでは覚悟を決めて。
いったっだっきまーす!
んーうまい☆
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