ドラえもんとしんちゃんの逆転現象
僕が幼い天使だった子ども時代に「クレヨンしんちゃん」の放送が始まった。
元々は青年誌で連載されていた漫画なので 少しエッチな単語が出てきたり 子どもには不適切な言動が多々見られていた。
すると当然 親は我が子にはそんなアニメは見て欲しくはない と思うのは自然な流れだった。
子どもがしんちゃんのマネをして困る。
そんな親の悲鳴が子どもの耳にも入る。
それでも子どもは楽しいのでマネをする。
当時「子どもに見せたくないアニメランキング」のような物があって しんちゃん はかなり上位にランクインしていたと記憶している。
そして30年程の歳月が流れた。
僕は親となり 子どもと一緒にクレヨンしんちゃんを見ている。
悪くない。
昔は母親の事を「みさえ」と呼び捨てにしていたしんのすけだが 今は「かあちゃん」と読んでいる。
ちょんちょんを出して「ぞ~さんぞ~さん」と揺らす得意技があったが 今は封印され「けつだけ星人(ズボン着用Ver)」だけがかろうじて残っている。
しんちゃんは5歳児のまま不適切な言動を慎むようになっていた。
そんなしんちゃんに対して「ドラえもん」はどうか。
しんちゃんよりも歴史は長く日本を代表するアニメのひとつかもしれない。
現在、しんちゃんの後にドラえもんが放送されているので どちらも見ているという家庭は多いのではないだろうか。
我が家はどちらも視聴している。
子どもはどちらも大好きで楽しんでいる様子。
しかし親目線で両者を見比べた時。
明らかにドラえもんの方が不適切な言動が多いのだ。
なんだか子どもに見せたくない。
そう思ってしまう程に。
のび太は「他力本願のろくでなし」
ジャイアンは「暴力中心の暴君」
スネ夫は「貧富の差を象徴する嫌なヤツ」
しずかちゃんは「長いモノに巻かれるタイプで別にのび太を助けようとはしない」
ドラえもんは「わりとポンコツで根本的なところを改善しようとはしない」
主要メンバーの誰も 子どもの見本となるべきタイプがいない。
僕はのび太に憧れます 将来はジャイアンのようになりたいです のような希望を与える事はできない。
子どもが欲しいのはドラえもん(ポケット)のみ。
逆に「のび太はいつも人に頼っているじゃないか」「ジャイアンはいつも人にひどい仕打ちをしているじゃないか」と悪事の言い訳のタネにされる可能性が高い。
今「子どもに見せたくないアニメランキング」があればドラえもんは割と上位にくるんじゃないかなと予想する。
反面教師アニメとしてあえて放送しているんだろうか。
謎だ。
ドラえもんの道具でもこの謎は解決できないだろう。
しんちゃんは時代に合わせて変化したぞ。
古き良き昭和を捨てて令和にこいよドラえもん。
その内愛想をつかされるぞ。
22世紀の常識は現代じゃ通用しないんだ。
昔はなんとも思わずに受け入れていたのは 最近のアニメがいい子ちゃん過ぎるからか。
善ばかりで育った子は悪に立ち向かうことは出来るだろうか。
悪を学べるのもまた漫画やアニメの価値かもしれない。
そんな考察をしながら見るアニメは実に面白くない。
はぁやだやだ。
純粋にアニメを楽しみたい。
世界観に浸りたい。
ちょんちょん出してぞ〜さんすれば童心に帰ることができるだろうか。
それとも社会的に抹殺されるだろうか。
早く大人になりたいと叫ぶお子様よ。
ちょんちょんを出してもセーフなのは今だけだぞ。
大人になってからやっておけばよかったと後悔しても遅い。
悔いなく生きよ!
ではまた。
次回予告(ウソ)
「ぜんけい休日にひとり ぞ〜さん をする」
の巻き。