家電製品が壊れるとチャンス

家電製品なしで我々は生活できない。

その中でも壊れると絶望する家電がいくつもある。

他では代えが効かない部類のやつだ。

そんな我が家の家電が突然壊れた。

家電というやつは病気をして少しずつ弱っていくのではなく、突然ぽっくり壊れる。

中にはだましだまし使える物もあるが。

ちなみに壊れたのはドライヤー。

髪の毛乾かすやつ。

家電界では少し地味なやつ。

冷蔵庫とか洗濯機とかが壊れれば一家は大混乱で速攻で家電量販店に駆け込むことになる。

このふたつとエアコンは第1級家電である。

生活に直結する為、急いで新しい物を用意する必要がある。

しかしドライヤーはせいぜい3級家電といったところか。

髪の毛を乾かすことは別の家電では代替できない。

しかし、タオルでしっかり拭いて自然乾燥すればなんとかなる。

だから焦って買わなくては！という程でもない。

ちょうどブラックフライデーだし安くなっていれば買おうかなという程度。

欲しいドライヤーには目星をつけている。

3級家電のくせに以外と種類も豊富で機能も多岐にわたる。

しかし、実感できるような機能は少ないだろう。

短髪なのでうるおいとか言われてもピンとこない。

髪の毛を乾かすのも奥が深いんだな。

自然乾燥とか言っていたのが恥ずかしくなる。

僕はせっかく買うなら高機能というのがポリシーなので、最上級モデルじゃないと嫌。

妻は家電には疎いので、これはチャンスと何かと理由をつけて最上級モデルを薦める。

そして思惑通り、最上級モデルを購入することが決まる。

ありがとう。

壊れないと新しいものは買えない。

だから壊れることも悪くない。

家電量販店、Ａｍａｚｏｎ、楽天市場でも見積もり合戦が始まる。

最安値を求めて。

ポイントバックとかややこしいので、僕は全てを妻に委ねた。

そして僕は夜勤へ。

翌日帰宅すると衝撃的な出来事が。

僕は妻に結局どこで購入したのかと尋ねると、まだ購入していないと返答が返ってくる。

どうしてと僕が聞くと。

ドライヤーが直ったとのこと。

えぇ…。

別に新しいドライヤーが欲しかったわけではないけれど、せっかく最上級モデルが手に入るとワクワクしていたのに。

余計な出費をしなくてよかったと思う場面なんだろうけど、正直かなりがっかりした。

壊れたドライヤーの目の前でウキウキしながら新しいドライヤーを選んでいたことが、壊れたドライヤーに怒りというエナジーが注入されたんだなきっと。

ごめんよ。

でも、一旦壊れた家電はすぐに壊れるのが一般的だから多分すぐに買い替えることになるよ。

それまではお世話になります。

もう少し頑張って働いておくれ。

あと壊れる前にちょっと前兆のようなやつがあると助かるんだけな。

限界超えるまえに言いなさい。

最上位モデルはお預けだ。

不謹慎だけど、壊れることを少し期待している。

すまんなドライヤーよ。

人間はこういう生き物なのだ。

ではまた。