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虫の名前

虫の正式な名前を知っている人は少ないだろう。

ゴキブリは全部ゴキブリ、アリも全部アリと言っていないだろうか?

僕も虫の正式な分類や名前なんて興味はない。

全部、虫で言い。

でも地域によって同じ虫でも呼び名が違うことは面白いと思う。

夏が終わり少し涼しくなると大量に発生する、街灯やちょうど人間の頭付近に群れをなして飛んでいる小さい虫をご存じのことと思う。

この虫はユスリカというハエだそうです。

蚊じゃないのかよ。

ユスリバエに改名しなよ。

ややこしい。

こいつの名前は地域によって違う。

そのひとつが「頭虫」で、これはわかりやすい。
頭上を群れで飛んでいるからという直球のネーミングだ。
僕はこの頭虫と呼んでいる。

次に「蚊柱」だ。
これは頭虫に比べるとなんだか怖い印象を与える。
頭虫よりもかなり密集している。
なんせ柱に見える程だ。
絶対突入したくない。
眼とか口に絶対入る。
柱と形容される虫は他にはいまい。

少し毛色が違うのが「琵琶湖虫」で、これはなんだかその場所に多いんだろうなぁという印象しかない。
一番穏やかな表現で害はなさそうである。

最後に最も恐ろしい呼び名が「脳食い」だ。
頭虫、蚊柱、琵琶湖虫と同じ虫を呼んでいるとはにわかには信じがたい名前だ。
クリーチャーの名前だね。脳食い。かなり強そう。
この名前を使っている人に理由を聞いたところ、耳から入って脳を食べるのだそう。
だから両手で耳をおさえてやり過ごすのだという。
やつらそんなにおっかない生き物だったのか。
なのにあんなに大群で。
もはや生物兵器。

よかった僕は頭虫という比較的おとなしい名前で、怯えずに済んだ。

しかし、はじめに脳食いといったやつの想像力はたくましい。
その想像力は見習いたいものだ。

これを読んでいるあなたも、脳食いが近くにいたら、両手で耳をふさぐのが賢明だ。
脳を食われてからでは遅い。
食わない保証はない。
あれだけいるんだから、一匹ぐらい脳に侵入できるかもしれない。

きっと昔、脳を食われた奴がいたんだろう。

これからの季節気を付けよう。

ユスリカと呼んでいる奴がいたら、そいつはきっと脳を食われたんだろう。
脳食いと広められると困るからな。

脳食いと言っているうちはまだ大丈夫。
食われていない証拠だ。

ユスリカに風評被害が出そうなので、一応書いておくが、血を吸うこともなく無害な虫なので、ご心配なく。

表向きはね。

ではまた。

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