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雑音を探るとそこにあったのは

休日の真昼間。
下書きをしたためる僕。
窓を開けると穏やかな風が入り込んでくる。
気持ちがいい。

そして様々な雑音も耳に飛び込んでくる。

普段、気にも留めない雑音に思いを馳せてみようと ふと思い立つ。
丁度、下書きの進みも悪く いい気分転換になるだろうと。

我が家は空港の傍にあり、着陸準備に入った機体の柄が見える程に低空を飛行機が通る。
うるさいなんてもんじゃない。
全ての音はかき消され、飛行機の轟音のみ響き渡る。テレビに映る人間はみな口パクになる。

雑音というにはあまりにもでかいその音が去ると、違う音が聞こえてくる。
クルマやバイクの音がよく聞こえる。
鳥のさえずりも聞こえる。
虫の声は聞こえない。
風の音がする。
後は僕のキーボードを叩く音。

人の声がしない。
住宅街にいるはずなのに、皆どこいった?
普段は人のささやくような声が聞こえるのに。
この区域に取り残されているのは僕だけか?


クルマやバイクの音は、実はモンスターか何かの鳴き声なのか?
それぐらい人の気配がしない。
誰もいないこの街で顔もしらない誰かに向けて記事を書く。

エッセイストというのは孤独な存在なのかな。
いつもスキをしてくれる人やコメントをしてくれる人も実は虚構なのかもしれない。


雑音に耳を傾けただけで 意味もなく疑心暗鬼になる。
もし、この街に僕しかいなかったら 何をするだろう。

信号を無視してみる。
電信柱に登ってみる。
大声で叫んでみる。
飛行機にむけて大きなSOSを作ってみる。
線路を延々と歩いてみる。
クルマで爆走してみる。
高速道路で立ちションしてみる。


どうやら僕は小悪党のようだ。
誰もいないのに大それたことはできそうにない。
昔からお天道様が見ていると教えられたからだろうか。

いや、飛行機から見られるからだろうか。

この街の人間はあの飛行機に乗せられてどこかへ運ばれているんだろう。
僕の順番が来るのも時間の問題かもしれない。
ほらインターホンがなった。
そろりと玄関に向かう。
Amazonの配達員だった。

よかった。
大声で叫んだり、信号無視しないで。
この街には他にも人がいた。
全部 僕の妄想だったようだ。


いや、待て。
配達員は僕を油断させる為の演出かもしれない。
疑心暗鬼になった僕の気を逸らすために。
なんて巧妙な罠を仕掛けてくるんだ。


そっちがその気ならこっちにも考えがある。
玄関に罠を仕掛けよう。
侵入者を撃退するのだ。
ホームアローンだ。
ドアノブを熱したり、トミカを床に敷き詰めたり。


しかし、わざわざ玄関から入ってくるとは限らないぞ。
今は雑音を聞く為に窓は開いているのだ。
無防備な僕。


もし明日以降 記事の投稿が途絶えたら、僕は飛行機でどこかへ連れていかれたということだ。
秘密警察に知らせて欲しい。
もし明日以降 記事の内容が真面目になったら、僕は別のナニかと入れ替わっているということだ。
フォローして動向をチェックして欲しい。
今日のような意味不明な記事が続いたなら僕は健在だ。


え?
いつもよりも意味不明で不気味?
そう思ったあなたは鋭い。
この記事を読んでから窓を開けてはいけないよ。
あの飛行機の音が聞こえるかも。
あなたを迎えにくる飛行機の音が。


人ってこうやって妄想を膨らませて陰謀論とかにハマっていくんだろうね。

こわいこわい。
でも書くのは楽しい。
たまにはいいね。


さて、あなたなら街にひとりぼっちになった時 どんな行動をするだろうか。
妄想タイムの始まりだ。
街を破壊しつくす大悪党はいるかな?


本日の記事は妄想9啓発1の割合で仕上がった。
あたなはくれぐれも妄想に囚われないように。


ではまた。

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