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抗菌薬のお話

みなさんこんばんは。
ティラミスなんですがきな粉と黒蜜の和風ケーキはなかなか美味かった〜
どーもMittsuです。

今日は抗菌薬のお話をさせていただきます。

抗菌薬には、幅広い細菌に対して効果のあるもの(広域抗菌薬)と限られた細菌に対して効果のあるもの(狭域抗菌薬)があります。

対象の細菌に対して効果を発揮する抗菌薬の範囲をスペクトルといい、これらはそれぞれメリットとデメリットがあります。

重要なのは抗菌薬を使い分けることであり、さらには細菌に対して耐性を作らないことにも繋がります。

使い分けで重要な概念がエスカレーションデ・エスカレーションです。
今回はこの概念についてお話していきます。

💊抗菌薬が細菌に効果を示す範囲について

抗菌薬の系統と細菌に効果を発揮する範囲

各抗菌薬の抗菌スペクトルを理解することは、経験的に抗菌薬を投与する上で必要不可欠な知識です。

広域抗菌薬は抗菌スペクトルが広く広範囲の細菌に効果が期待できる反面、薬剤耐性菌へのリスクも高まるため、使用には注意が必要です。

 一方で、狭域抗菌薬は効果が期待できる細菌の範囲は狭い欠点がありますが、その分薬剤耐性菌へのリスクも小さいといえます。

💊エスカレーションとデ・エスカレーション

広域抗菌薬と狭域抗菌薬の臨床現場での使い分けについては、エスカレーションデ・エスカレーションが提唱されています。

一般的に、原因菌が判明している場合にはできる限り狭域の抗菌薬を使用することが推奨されます。

しかし、臨床現場では原因菌が判明していない場面も少なくありません。
この場合には患者の状態を考慮に入れて、広域抗菌薬か狭域抗菌薬かを選択することが推奨されます。

患者の状態が安定している(緊急性が低い)場合には、推定した原因微生物のうち最も可能性が高い細菌を対象にした狭域の抗菌スペクトルの抗菌薬の投与を開始し、効果がなかった場合にはより広域の抗菌薬や併用療法に徐々に切り替えていくという方法が推奨されます。

この方法をエスカレーションと呼びます。初期にむやみに広域の抗菌薬を使用することで広範囲の薬剤耐性菌が発生することを防止することを目的にしています。

 状態が悪い(緊急性が高い)場合に、このようなエスカレーションを行うのでは時間がかかってしまい患者を危険な状態に陥らせる可能性があります。従って、状態が悪い患者ではデ・エスカレーションを行うことが求められます。

すなわち、エスカレーションとは逆で、初めに広域の抗菌薬の投与や抗菌薬の併用療法を開始します。
このことを経験的治療(empiric therapy)といい、推定される全ての原因微生物を対象とした治療を行います。

それと同時に感染臓器からの菌分離同定および薬剤感受性試験を実施することとなります。
その後、その結果に基づいた最善な抗菌薬、すなわち狭域または単剤の抗菌薬を用いた標的治療(definitive therapy)を実施します。

デ・エスカレーションでの注意点は、原因微生物の詳細な検査を実施せずに、初期に選択した広域の細菌を対象とした抗菌薬を漫然と使用続けてはならないということです。

原因微生物を検出し、エスカレーションデ・エスカレーションが実践するためには、抗菌薬の使用前にまずは、培養検査の提出が必要です。

血液培養・その他原因微生物の感染の可能性がある部位の検体(喀痰・便・尿・浸出液など)の提出をしましょう。

以上、抗菌薬についてでした。
それでは、おやすMittsu💤

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