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映画「蒲田行進曲」と剣道部

それは、階段落ちがクライマックスの日本映画だ。
(1982年10月公開)
映画スターの銀ちゃんと、
大部屋俳優の、ヤスの物語。
2人は、新撰組の隊士が銀ちゃん。幕末の、薩長の武士がヤス。

たぶん池田屋事件を描いている、
シーンで、映画の中でも、
無名の、薩長の武士が、
料亭の2階で、銀ちゃん(新撰組)に
切られて、勢いで背中から、
階段を転がり落ちる、有名な
シーンだ。

今なら、スタントマンが代わりに、階段から落ちると思うが、
なぜか役者の、ヤスが切られて、
自ら階段から、転がり落ちることになる。はっきりいって、すごく危ない。命に関わる。

しかし、ヤスは、自ら「やります❗」と言うのだ。
(小夏と、お金のために)

銀ちゃんは、風間杜夫さん、
ヤスは、平田満さん。
平田さんは、ホントにこの時に、
無名の役者さんだった。
銀ちゃんの恋人役(小夏)は、
松坂慶子さん。当時若いのに、すごく華やかな雰囲気の、女優さんだった。
(色気がハンパない)

スター俳優と、大部屋俳優の、
上下関係。映画のスタッフや、
撮影の様子が同時に描かれて、
とても面白かった。

実は、自分の子供がお腹にいる、
小夏を、銀ちゃんは、ヤスに
押し付けたのだ。むちゃくちゃである。しかし、なぜか、銀ちゃんは、憎めないキャラだ。
そして、ヤスは、そんな銀ちゃんが大好き❗なのだ。
そして、実は、小夏のことも。

ラストシーン。小夏が、病院で
ぶじに赤ちゃんを産む。
すると、階段落ちのシーンを撮り終えて、ケガで包帯だらけの
ヤスが、小夏のベッドの橫で、
笑っているのだ。

小夏とヤスが、本当に、夫婦になり、親になった瞬間だった。

ラストには、続きがある。病室の、セットの壁は、取り払われ、出演者の全員(スタッフ?も)が
「蒲」「田」「行」「進」「曲」(一文字ずつ)と書いた、大きい看板5枚を持って、画面に向かって、
笑う❗のである。

映画制作への、最大の愛を感じた。つかこうへいさん原作の、直木賞の映画化だった。

私は、実は、この映画を見た後に、ある高校の文化祭で、
「蒲田行進曲」の演劇を見たのだ。着物のかわりに、剣道着を着て、高校生の男子が、銀ちゃんとヤスを演じていた。

だから、私が高校で剣道部に入部したのは、剣道をしたかった、というよりも、「蒲田行進曲」の、
銀ちゃんとヤスの姿に、
感動したからだ、と大人になって、後から気づいた。

あとは、木刀で素振りの稽古をしていた、亡き父の影響である。

剣道は、あまり上達しなかったが、殺陣(ドラマなど)を見て、よく分かるようになった。

蒲田行進曲は、京都太秦撮影所が、舞台と思われる。
時代劇は、少なくなったが、
日本の、映画の、宝物の1つだと思う。

いつか、現代の、若い役者さんで、新しい「蒲田行進曲」を見てみたい。

最後に、同じ1982年に大ヒットした歌を。

I  will  follow  you
あなたについてゆきたい

心に春がきた日は
赤いスイートピー
(松田聖子🎵赤いスイートピー)

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