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主婦のパート探しは難しい

大暑にやたらと大泣きしてたんだが、実は新しいパート探しが難航していたためである。

「それくらいで、あんなに泣くかよ!」と自分でもビックリだが、いかんせん未就学児を抱えた主婦のパート探しというのは本当に難しい。

…と思う。

いや、もちろん私の計画性の無さとか人生設計の杜撰さも要因ではあるんだけどさ。




4月から働き始めたパート先は、オープニングスタッフ募集で大量採用した割に、売り上げが想定の半分以下だったらしく、早々に全員のシフトが減らされるようになった。

私は当初、「平日のみで週3〜4日、1日4時間以上」という条件で採用してもらった。
実際には、多少シフトは減るかもしれないと言われたが、子どもの2号認定(※)を受けるために就労要件を満たす必要があったので、少なくとも契約上は上記の条件を満たしてもらうという話でまとまった。

(※)認定が下りると、預かり保育を定額で利用できたり、長期休暇の間も預かってもらえたり、お弁当も出してくれたりする。
うちの子の園は認定が取れなくても預かり保育の利用はできるが、料金がだいぶ違ってくるし、色々と制約もある。

…はずなんだが、蓋を開ければ1日2〜3時間、週に1〜2日が常態となっている。

最初の2ヶ月はギリギリ就労要件を満たせていたため、なんとか2号認定を受けることが出来たのだが、このままでは来年度の認定は確実に受けられない。

それどころか、今年度の就労証明書すら偽証になってしまう。嘘をついた状態で子供たちを預けるなんて、精神衛生上とても良くない。新しいシフトが出るたびにため息がこぼれ、タウンワークで職探しをする日々だった。

そんな中、奇跡的に条件を満たす仕事を見つけた。少し家からは遠いが、こんな好条件はなかなか無い。すぐさま応募した。

しかし、夏休みで子供たちが家にいる中で面接に行くための日時調整、もし採用された場合の送迎のシュミレーション、職場が変わった場合に役所に提出するべき書類と提出するタイミングを調べたり、役所に電話して事情を正直に説明したり、採用された場合を考えて現パート先のシフト希望を減らして提出するなど、いろんな手回しをしているうちに見事に頭がパンクした。

「どうしてただ働きたいだけなのに、こんなに色々な制約を受けて、こんなに考えなきゃいけないんだ!!」という怒りと悲しみで、見事に情緒不安定に陥った。それが大暑に起きた事の顛末。

しかも、結局面接には落ちたので、後に残ったのはいつも以上に減らされたシフトのみだった(これは希望を減らして提出したから、自業自得なんだけど)。




「どうせ働くなら、自分のスキルアップに繋がる職場で!」とか、「誰かの役に立つ仕事がしたい!」とか「自分の理念に合った環境で、やりがいを見つけたい!」とか、そういうことを考えていた時期は私にもあった。

ただ、今となってはそんなやりがいなどは正直どうでも良い。

重要なのは「平日のみ短時間しか入れない、未就学児2人を抱えた主婦ですが、子どもの2号認定を受けるための就労要件を満たす程度にはシフトに入れて下さい」という私の超ワガママな条件を受け入れてくれるか、この一点のみなのである。それさえ満たしていれば仕事の内容は問わないレベルに、切羽詰まっている。




私は正社員として働いた経験は短く、フリーター生活が長かった人間だが、だからといって仕事に対して何も考えていなかったわけではない。

子供ができるまでは「将来的には自宅で働けるように」と、自然療法の教室を開ける資格を取得したり、趣味だった占星術の勉強を深めて鑑定をしたり、そういう下地を作る努力はしていた。

雇われ仕事よりも、自分が夢中になれるやりたい仕事をしたかったし、いざ子供ができた場合に、在宅ワークなら子育てと両立しやすいかなと考えたのだ。

ところが、実際に子供が生まれてみると、初めての子育てでそれどころではなかった。
自宅で教室を開こうにも賃貸(当時)では無理だし、鑑定をしたくてもうまく時間が取れない。クオリティをとても保てないし、新しい知識をインプットする時間も取れない。何かを始める余裕もない。日々を回すことだけで精一杯で、夜に寝かしつけが終わった後は気力も体力も1ミリも残っていなかった。

子育てを舐めていた。「やりたい仕事をやる」なんて、安易すぎる考えだった。
私は、事前に想像していたよりも、かなりキャパシティが小さな母親だったのだ。

自分にしかできない仕事を持つこと、スキルを磨くこと、自宅開業すること、そういうモチベーションを保てるほど、私の生命力は強くなかった。




さて、面接に落ちて悲しみに暮れていた私は、その後しばらく経ってから、家の近くにもっと奇跡のように要件を満たした職場を見つけました。即日応募し、3日後には面接を受け、さらに3日後に合格の連絡をもらい、今週から働き始めた次第です。

今度の職場では、できる限り長く働きたいと思っている。こんなに好条件の仕事はもう当分見つからないと思うし、履歴書を書くのも、面接を受けるのも、環境が変わることにも、本当に疲れてしまった。

「せっかくお金かけて色んな資格取ったのに勿体ない」「スキルがあるのにそれを活かそうとしないなんて、志が低い」と言う人もいる。実際、そのようなことを言われた経験もある。

自分でも「勿体ないなぁ」とはちょっと思っている。でも、できないのだ。疲れちゃって。

今の私にとっては、なによりも、日々を回すことが重要なのだ。自分のスキルを打ち出せれば、そりゃ、なによりなんだけど、そんなことをすればあっという間にキャパオーバーになることが分かっている。
日々が立ち行かなくなり、私のメンタルは揺れに揺れ、家庭は大荒れし、地獄絵図が始まる。

それを補って余りある情熱もないから、やらない。

でも、雇われ仕事で、決して多くはない給料をもらいながら、休みの日には子供の行事に参加したり、仕事後にスーパーや銀行をはしごしたり、合間合間で料理・洗濯・掃除をしたり、細々した名も無い家事をこなしてそれなりの日々を過ごすことって、全然悪くないことだと思うんだよね。

それは、目標が無いとか、意識が低いとか、そういうネガティブなことではない。
そうやってそれなりの日々を過ごすことこそが「生活」であると思うし、そうやって粛々と暮らせることだって、尊いことに変わりはない。そんな自分に納得してようがしてなかろうが、関係ないんだ。「生活」ってそういうことだ。

もちろん、新しい職場の仕事をおざなりにするつもりは毛頭ない。むしろ、そんな面倒くさい条件の私を採用してもらえたからには、そのご恩に報いたいと思うのは本心である。

だから、一生懸命働く。
働く事は楽しい。社会との接点ができるし、接客していると気持ちも明るくなる。
先輩からはちゃんと指導までしてもらえて、その上で賃金までもらえるんだから、幸せな事である。

私にとって「働くこと」って、今はこんな感じ。年を重ねたり、子供たちが成長する中で、また考えが変わっていくこともあるだろう。
自然療法への情熱や、自宅開業に対しての火種が、再燃することもあるかもしれない。

そんな日が来たら、また前向きに動ける自分でいられるよう、今は自分の気力体力に無理をせず、楽しく働いていきたいと思っている。

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