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近くて遠い姉妹兄弟間の距離感

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突然ですがみなさまにご兄妹はいらっしゃるでしょうか?いらっしゃる方は仲は良いほうでしょうか?

こればかりは人それぞれだとは思いますが、

例えば年の離れている姉弟だと、小さい頃から
かわいがりかわいがられ、年齢を重ねてからも良い関係性が続いていたりしますよね。

一方で普段外来をしていたり、私の周りを見渡してみても、

高齢兄弟/姉妹間の仲が良くない方々をよく見かけます。それも、共通した同じような理由で、です。

一番わかりやすいのが、本人さんがこれまでに
迷惑行為等を繰り返してきて、そのたびにご兄妹が尻ぬぐいに奔走してきたケース。

「もう関わりたくない」
「本人に連絡先は教えないで」

と嘆かれるのを何十回と聞いてきました。

実際に没交渉となり、連絡先や行方すら分からないといった方も少なくないです。

他によくあるケースとしては、遺産相続でモメて兄弟仲が悪いケース。仏壇の継承に関しても同様です。家庭裁判所での調停にまで発展するケースも少なくありません。

最後に同胞葛藤です。カインコンプレックスとも言いますが、親から受けてきた愛情や扱いが兄弟間で異なる場合に抱く、兄弟間の葛藤です。

また今の高齢者は戦後の第一次ベビーブーム世代、同世代間の競争が激しい時代を過ごし、兄弟間での
学歴コンプレックスを抱いていたりします。

ここで、客観的・法的には、兄弟間の距離感はどれくらいなのか、

一つの指標として「親等(しんとう)」という概念をご紹介したいと思います。

一親等、二親等、などと使ったりしますが、親等は、本人からみた親族関係の近さ、を表します。

数え方ですが、自分を0として、親や子供は1、祖父母や孫はそこからさらに1を足して二親等、です(配偶者だけは数字がつかず、本人と同等、いわば0親等)。

さて兄弟姉妹は何親等にあたるでしょうか?

答えは、両親を経由して、そこから1を足して
「二親等」にあたります。二親等は孫や祖父母と同じで、個人的には「意外に遠い」と感じます。

もちろん兄弟姉妹仲が良いに越したことはありませんが、今一つ関係性が良くない方は、兄弟間の距離感を見直してみたり、

後々モメそうな事柄については(第三者を介して)事前に話し合っておくなどしておくと良いと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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