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骸骨探偵・第2話


#創作大賞2024 #ミステリー小説部門

「水難、法師……?」

 スイナンホウシ。
 少なくとも、僕の20年弱続いた人生の中では聞いたことのない言葉だった。
 水難事故とか水難の相、とかの水難と、あの、お坊さんみたいな法師、ってヤツだろうか。
 ……水の中で手招きしているハゲた人が頭の中に浮かんでくる。

「『水難法師』、字に起こすとこんなもので、海難法師の亜種さ」

「あ、ありがとうございます」

 音玄はホワイトボードのようなものを彼女から受け取り、水難法師の字を書いてくれた。
 僕の思ってた通りの感じで、隣には『海難法師』とも書かれている。

「有名なのは海難法師の方で、海難法師は基本的に海に関連した水難事故で亡くなった者の成れの果てと言われる。
そして、怪異とした彼らは大概自分の仲間を作ろうと、同じように誰かを海に関連した水難事故に遭わせその命を奪うとされる。
だが、水難法師は”海と関係のない”水難事故で亡くなった者の成れの果てだ。
こっちは海難法師ほど単純に出来ていなくて、取る行動は海難と違ってパターン化していない……強いて共通するのであれば、気に入った人間を水難に遭わせようとする、というところだね。
あとはそう、水難法師は水と一体化していて、まるでスライムのような見た目や動きをするともいうらしい」

「初めて聞く怪異だが、随分と詳しいな」

「ま、これが取り柄のオカルトオタクだからね、僕の情報網を舐めて貰っては困るさ」

 骸骨探偵も関心の声を上げる。
 怪異以上に、怪異という存在について詳しい。
 さっきも『術式』なんて呼ばれているものを使っていたし、本当に凄い人なんだろう。

「さて、僕の出せる情報はこれくらいだ。引き続き籠らせてもらうとしよう」

「あ、あの、ありがとうございました!」

「例なら事件が解決した後、そこの骸骨に言うがいいさ。僕はオタクとしての知識自慢をしただけだから」

 音玄はそう言って、元居た隠し部屋のような場所へと戻っていってしまった。
 ……彼がいなかったら、姉がどこでいなくなったかすらわからなかった。
 それなのにお礼を言わないなんて真似は出来ない。

「……ところで、まだお前の名を聞いていなかったな」

 音玄を見守ったところで、骸骨探偵がこちらを向いてそう言った。
 考えてみればそうだ、僕はまだ彼らに対して名乗っていない。
 依頼をするというのに、これはあまりにも不躾な真似だろう。

「あ、はい。失礼しました、僕はこういうもので……【庭出助(にわでじょ) 修也(しゅうや)】って言います」

 僕はポケットから大学の学生証を取り出し、二人に見せながら名乗る。

「庭出助 修也、さんかぁ……結構珍しい苗字だね。あ、私は【金元(カナモト) 経子(ケイコ)】っていうの、一応ここで会計やってるんだ、よろしく」

「よ、よろしくお願いします!」

 金本 経子。
 会計をやっているというの納得の名前と言うか、名前の通りお金に縁のある名前のようだ。
 ……そういえば、僕の母さんの旧姓は金子、って言ったっけ。
 姉は母似だし、母似の姉に似てるこの子は、もしかしたら──なんて考えがよぎるけど、すぐに振り払う。
 姉が恋しすぎて、変な考えが頭にポコポコとよぎるようになってきているな。

「……さて、では指針も固まった。俺は聞き込みに出る、調査の内容は都度まとめて報告する。
明日また同じ時間に来れば、調査報告書を渡す。
念のために電話番号を控えた紙を渡しておくが、出来ればここに来て直接報告書を読んでくれ」

 そう言って、骸骨探偵は全身を覆い隠すように変装を始め、さっき僕と出会った直後のような格好になった。
 聞き込み……そうか、こうしてどこで行方不明になったか、誰が攫ったかがわかっても。
 彼は探偵である以上、その誰かがどこにいるかを突き止めるために聞き込みを行うのか。
 姉に関する情報の、聞き込みを、だ。
 僕が見つけることのできなかった、姉に関する情報。

「あのっ!」

「どうした」

 知りたい。
 姉は僕のただ一人の家族なんだ、だから知りたい。
 姉がどこにいるか、姉が今何をしているか、知りたい。
 僕が持っているものなら、全て差し出してでも。
 1秒でも早く、姉について知りたいんだ。

「その聞き込み調査、僕もしちゃダメですか?」

「ダメだ、やめておけ」

「……どうして」

「依頼人を危険に晒すことは探偵業において一番のご法度だ。
相手にするのがただの人間ならばともかく、俺が相手にするのは怪異だ。
怪異は常日頃、どこからともなく現れ、気付けば人の命を容易く奪う。
俺が共に行動するならばともかく、別行動では命を守れる保証などない、ならば一人で家に籠ってもらう方が安全だ」

 ごもっともな意見だった。
 きっと、僕が骸骨探偵と同じ立場なら、同じことを人に言うのだろう。
 それでも、そうだったのだとしても、僕ははいそうですか、と引き下がりたくない。
 大好きな姉を探すため、どうにか、なんとか、この捜査に協力したい。
 どう言えば、納得してくれるだろうか。
 探偵と言う以上、彼は弁が立つだろう。
 そんな相手に、ただの一介の大学生に過ぎない僕が、どうやって説得するんだ。
 ……どうやって、僕の有用性をアピールするのか。
 
「悪いことは言わん、帰って大人しくしていてくれ。
その方が、俺たちにとっても助かる」

「……しません」

「何故だ」

 何故。
 骸骨探偵のお願いは確かに正論だ。
 だけど、僕には。

「僕は姉のためなら、たった一人の家族のためなら、命でも何でもかけられます! 何もしないで、誰かに任せきりにするのは嫌なんです! だから、自分の出来ることをやります! それで死んだとしても、僕は後悔のない道を行きたいんです!」

「……軽々しく、命をかけるなどいうな」

「軽くなんてない、こんなこと言った手前ですけど、正直怖いです。
今あなたを見てることだって怖いし、人を水に沈めるような化け物に関する調査なんて、自分に関係が無かったら無視します。
けど、それでも姉の命がかかってるような出来事なんです、だったら命一つかけられないで何が家族ですか!」

「……」

 少しの沈黙が流れた。
 金元さんはちょっぴり引き気味な表情だった、多分僕のこと誤解してる顔だ。
 いや、別に僕はシスコンだとかそういう人種なわけじゃあない。
 姉は姉で、ただの家族なのだ。
 だから大切で、何が何でも守りたいってだけで、恋愛対象に見てるってわけじゃないんだ。
 ただ、僕が頑張れるのは家族として見守ってくれる姉がいるからってだけで、あくまで家族として大事なんだ。

「……まぁ、いい。そこまで啖呵を切るのなら、俺が止めても勝手に動くのだろう。ならば好きにしろ。
だが、せめてこれは持っておけ、いざというときに役に立つ」

「えぇと、これは?」

「GPS発信機と、警報機の類だ。
もしも怪異に襲われて、それを使う余裕があったら真っ先に使え、すぐに俺が駆け付ける」

 骸骨探偵から服のボタンくらい小さなものと、ボールペンくらい小さなスイッチを渡された。
 僕の身の安全を考えてくれているんだな……と感謝しながら、僕は鞄にGPSを、服の胸ポケットにスイッチを入れた。
 間違って押しちゃったらマズいけど、真っ先に押せる位置は多分ここだろう。

「……ありがとうございます! 僕、頑張ります!」

「無茶だけは、するなよ。お前は依頼人なのだからな」

 ……だが、なんにせよ、彼らの反応はどうあれどもだ。
 僕は姉に関する聞き込みをすることが許されたので、骸骨探偵と共に事務所を出ることとなった。
 依頼をしに来た側の僕が、まるで探偵のようなことをする……と言うのは妙な話かもしれないけれど、じっとしているのは苦手なんだから、仕方がない。

「いいか、聞き込み調査で大事なのはいかに関連性を導き出すかだ」

「関連性……」

「今回はお前の姉に関する聞き込み、つまりお前の姉の関連人物を探せばいい」

「なるほど」

 姉も僕も、この木津都に住んでいた。
 だから、姉か僕に関連性を持つ人はこの木津都にはある程度はいる。
 とどのつまり、姉に関する情報はポコポコと入る……はず。

「えぇと、他にコツっていうのは」

「そうだな……まぁ、あとは水に関する情報を大事にしろ。今回の相手は水難法師だ、水であれば些細な情報がヤツにつながる」

「は、はい」

 住宅街を抜けて十字路に来たところで、骸骨探偵はそう言って歩き始める。
 ……一緒について行ってもアレだし、勝手にしろって言われてるし、僕は彼と真逆の道へと進んだのだった。

 ──人生初の聞き込み調査、その一人目。
 僕の母校の高校近くにいた……というか、その学校に通っている女の子に話しかけることにした。
 グルグル眼鏡をかけていて、どことなく話しやすそうだ。

「あのぅ、すみません」

「んー? どうしましたかぁ? ナンパですかぁ? 私みたいな見た目大人しそうなJKでもナンパとかあるんですかぁ? むしろだからですかぁ?」

「あぁいや、そういうんじゃなくて……ちょっと聞き込みをしてるんです」

「ほほー、スーツ姿……もしや刑事さんなんですか~?」

 女の子は僕を見て興味津々だけれど、生憎僕は現在就活中の大学生でしかない。
 バイトはつい最近やめたところだしね。
 とか何とか思いながらも特に言及せず、僕は懐から手帳とそれに挟んである姉の写真を取り出す。

「えぇと、この辺でこの人見なかったかな」

「はぁ……さてはあなた、この人のストーカーさんか何かで? 白昼堂々聞き込みとは恐ろしーっ、きゃー」

「あぁいや、違うよ。この人の弟だよ、ホント」

「ほぉ~」

 なんだか色々と妄想癖の激しい子だなぁ……。
 聞き込み相手を間違えたのかもしれない、けれど僕的には最適解だと思ったんだ。
 木津都唯一の学校に通ってる子、とどのつまり姉や僕の後輩なんだから。

「えぇと、心当たり、ない?」

「あーっとちょっと待ってください……えぇと、そう、確か、あれは一ヶ月ほど前でしたかね」

 一ヶ月ほど、前。
 姉が行方不明になった時期に近いな。
 行方不明になったのは三週間ほど前だから、大雑把に言えば一ヶ月だろう。

「丁度その写真と同じ服装で、その人が水着を買っているところをみましたね。
ほら、この学校の近くにある水着店です。
私もある事情で水着を新調しようと思って行ったんですよ。
それでちょっとセクシー寄りのを探してたんですが、スーツ姿のお姉さんが水着を吟味してる様子が特徴的で、よーく覚えてました。
ま、私もそのお姉さんも一言も会話せずにその場を去ってしまったので、それだけですが」

「そっか……でも、ありがとう」

「どういたしまして」

 結構重要な情報が手に入った。
 例え一ヶ月前だとしても、この情報は僕にとって大きなことだった。
 何故なら、姉は筋金入りと言ってもいいほどのカナヅチなのだ。
 それはもう水に顔をつけることすら怖がっていて、学生時代は完璧超人みたいに言われながらも水泳の授業だけでは恥をかいていた……とも聞くくらいに。
 ハイスペックな姉の数少ない弱点なだけに、僕としては気になるところだった。
 何の目的であるにしろ、姉が水着を買うということは普通ならばありえないことだ。
 それに、水着と言えば、だ。

『水に関する情報を大事にしろ。今回の相手は水難法師だ、水であれば些細な情報がヤツにつながる』

 聞き込みのコツを聞いた時、骸骨探偵から言われたことだ。
 その情報が、今まさに目の前の女の子から告げられたのだ。
 聞く相手を間違えたかと思ったけれど、むしろ幸先がいいと言っても過言ではない。

「それじゃあ、僕は他の人にも聞き込みを続けなきゃだから、これで」

「はぁい。頑張ってくださいね~」

「うん、ありがとう」

 僕は丁寧に情報を教えてくれた女の子にそう言って、その場を離れる。
 さて、次は──。

「あの、すみません」

「え、お、あ、私?」

 次に僕が情報を集めるべく話しかけたのは、木津都のオフィス街。
 相手は姉の友人であり同じ会社に勤務している……確か、雨野さんだ。
 家の間取りを見ては『ここが変だね』とか指摘するのを楽しむ変な癖がある人、と聞いたことがある。
 彼女は話しかけられたのが自分だったとは思わず、辺りをキョロキョロ見回していた。

「え、えーと? 何か……?」

「あ、僕、こういうものです」

 論より証拠、と言うように……名乗るよりも先に僕は学生証を見せた。
 庭出助、なんて苗字の人はそう簡単に見るほどの物じゃあない。
 ので、彼女もすぐにピンと来たらしい。

「あぁ、庭出助さんの弟さん。お姉さんからあなたの話は聞いたことあります、多分知ってるかもだけど、私は雨野(あまの) 空(そら)。庭出助さん──あなたのお姉さんとは同じ部署で、同僚だったの」

「はい。庭出助 修也って言います。実は、行方不明になった姉のことで聞きたいことがありまして……」

「行方不明? 彼女、そんなことになってるの?」

「えっ?」

 馬鹿な。
 なんで同じ部署で、同僚なのに知らないっていうんだ?
 行方不明になったのは三週間も前の話だぞ!?

「お、同じ部署なのに知らなかったんですか!?」

「え、だ、だってあの子、ついこないだ急に会社やめちゃったから……」

「や、やめた!? そ、それっていつですか!」

 初耳だ、姉が会社をやめたなんて一言も聞いてない。
 行方不明になる前に話した最後の日は、普通に会社へ足を運んでいたはずだ。 

「え、えーっと、もう三週間前ぐらいだったかしら」

 三週間前! 姉が丁度行方不明になった頃じゃないか。
 まさか、行方不明になった日は会社に辞める手続きでもしに行ったのか?
 相談とか、全くされてないんだけど、僕。

「会社に突然退職届だけ送られてきてね、庭出助さんは挨拶とか引継ぎとか何もしないで、そのままいなくなっちゃったのよ」

「えぇ……? いやいや、姉さんはそんなことするような人じゃ……」

「それがしたのよ、おかげで上司は悪態ついてたし、周りの人たちもちょっと不思議そうにしてたけど。
それでもホントに会社に来ないもんだから、退職届だけ出してバックレた、ってもう皆の中では終わってんの」

 姉は真面目で誠実な人だし、そういうようなことをする人じゃあない。
 つまり、これは……姉を攫った怪異、つまり水難法師が姉に脅して書かせたとかだろうか。
 なんでそんな真似をさせたかわからないけれど……ともかく、これは姉のするようなことじゃない。
 姉は自分の意志以外で会社をやめさせられたって可能性が非常に高いだろう。

「……それじゃあ、最後に見た情報でいいんですけど、姉に何か不審な点はありましたか?」

「んー……特に会社の雰囲気とかに嫌な感じを抱いてた、ってワケじゃあないし……そうね、あー」

 雨野さんは頭をポリポリとかきながら頭をひねっていた。
 ……僕みたいな学生と違って、働いている人は仕事のことで頭がいっぱいのハズだ。
 なら、記憶を掘り起こすのだって一苦労するのだろう。
 が、雨野さんはすぐ「あ」と頭をかく手を止めた、何か思い出したのか。

「そういえば……会社を辞める前ちょっと前だったかしら、定期的に取引先の人と会う約束を取り付けてたわね。仕事とか関係ない、プライベートの日にも」

「取引先の相手?」

「えぇ。まぁ、今は取引が終わっちゃったのだけれども……あ、これナイショね」

 ……そういえば、行方不明になる二ヶ月くらい前だったかな、つまりとどのつまり今から三ヶ月前。
 その頃から、定期的に姉の帰りが遅い日があったのだ。
 今までは定時で帰ることが多く、職場から家は一駅分の距離すらない。
 だからまだ日があるうちに家に帰ることだってあった姉が、日も変わる直前に帰るようになる日がちょくちょくとあったのだ。
 これもまだ早計かもしれないけれど、重なるところはある。
 姉の帰りが遅くなっていた理由は聞くことが出来なかったけれど、もしも姉の帰りが遅い日=取引先の相手と会っていたからだとするとだ。

「雨野さん」

「は、はい」

「その取引先の相手のこと、何か知りませんか? 例えば、元水泳選手だったとか」

「んーっと、資料でしか見たことないし、今はもう取引打ち切っちゃったけど……えーと、確かね、川遊びとかプールで泳ぐのが趣味って言ってたわ。冬なのに、わざわざプール付きの自宅で着衣泳やってる動画なんてSNSに上げてたんだもの」

 繋がった……のかもしれない、いや、確証は出来ない。
 けれど、それでも、確かに情報の糸を手繰り寄せることが出来たというか、状況的に怪しい相手が出てきた。
 怪異の正体は水難法師、カナヅチだったはずの姉が購入していた水着、定期的に会っていた病的なほど泳ぎが趣味な取引先の相手、不自然な退職。
 これを怪しいと言わずして、誰が怪しいというのだ、と言うほどの情報だ。

「それじゃあ、その取引先の人と会うことが出来れば、もしかして……」

「んー、多分無理じゃない?」

 雨野さんから聞いたことをメモにまとめていたら、独り言が漏れていた。
 それと同時に、その独り言及び僕の次の指針を彼女から否定された。

「ど、どうして……」

「だってその取引先の人、確か、えーと……雨の日に河川敷で足を滑らして、人の川流れ……まぁつまり、水難事故で亡くなられたのよ。
確か……ウチの会社との取引をやめにして、付き合いもなくなったって直後に、そういうニュースが来たの」

「そ、それっていつの話なんですか!?」

「んー、確か三週間くらい前ね……あ、そういえば庭出助さんがやめた時と同じ時期だわ……ぐーぜん」

 水難事故。
 その言葉を聞いた直後に、音玄の説明を思い出した。

『水難法師は”海と関係のない”水難事故で亡くなった者の成れの果てだ』

 水が増えるであろう雨の日、河川敷から足を滑らせて落ちる。
 水難事故で死ぬ、という条件を満たすのには現代的かつ普通のことだ。
 ……なら、やっぱり。

「お家の方は、取り壊されずに他の人が買って住んでるみたいだけど」

「……その、亡くなられた取引先の相手のお名前を教えていただくことは、可能ですか?」

「? そんなの知って、どうするの?」

「行方不明になった、姉の捜索のためです」

「話が脱線してたけれど、そういえば庭出助さんが行方不明って言ってたっけ……うん、じゃあいいよ、死人に口なしっていうし、教えたげる」

 雨野さんから教わった名前……それをメモにまとめ、僕はその場を後にした。
 この集めた有益な情報を、少しでも早く骸骨探偵へ共有するため……なのと同時に、骸骨探偵から『容疑者を絞り込んだ』というメールが来たからだ。
 ならば、僕も雨野さんから教えて貰った重要参考人にして容疑者──故人【水谷(みずたに) 雅彦(まさひこ)】のことを、伝えるべくして彼と合流しなければならないだろう。

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