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宇宙からやってきた猫に会いに行った

梅雨もあったのかなかったのかよくわからないまま、本格的な夏に突入。
我が家の猫たちはひんやりとした床に落ちています。

私も夏はかなり苦手。
いつもならできるだけ室内にいたいのですが、見たくて仕方がない展示がありました。

もちろん猫がテーマ。

夏空の広がる日、気合を入れてえいやー!と外へ。その勢いで3つの展示を回ってきました。


1つ目は動物写真家、岩合光昭さんの写真展「ねこがお」

同時開催の「What a Wonderful World  この素晴らしき世界」「Masai Mara」も見てきました。

場所は品川のキヤノンタワーにある、キヤノンオープンギャラリー1・2とキヤノンギャラリーSです。

まずは「What a Wonderful World  この素晴らしき世界」「ねこがお」から。

中は撮影禁止。入り口のパネルはOKでした。
7/23まで。ご覧になりたい方はお急ぎを!

北極から南極まで、世界中で動物たちの写真を撮り続けてきた岩合さん。

アマゾンやサバンナで動物たちが現れるのをずっと待ち続けている間、頭の中で一番多く流れた曲がルイ・アームストロングの「What a Wonderful World」だったそうです。

まず、最初の方にあったヒメフクロヤマネの愛くるしい姿にやられました。
花に囲まれて可愛い顔を覗かせるなんて反則。 


驚いたのが、屋久島の鹿と猿が触れ合っている瞬間をとらえた写真。
その後、猿が鹿を毛繕いしていたそうです。

野生で異種の動物が触れ合うことは稀です。


私はその写真を見て、映画『もののけ姫』で一番好きな場面を思い出しました。

後半の方で人間が仕掛けた爆発に巻き込まれたイノシシたちの下に生き埋めになってしまった山犬。アシタカとタタラ場の男衆に助け出された後、怪我を負ったヤックルと鼻を合わせているシーンがありました。最初はヤックルを食べる食べない言っていた山犬ですが、いつの間にか仲良くなっていて、お互いの無事を確認し合っている(?)。
グッとくるシーンでした。


猫好きだからか、最後にあったチーターの写真がいちばん印象に残りました。タンザニアのセレンゲティ国立公園で撮影したそうです。

まだポワポワした幼さの残る可愛らしい子チーター。
正面から日を浴びています。

目を瞑っているのはまぶしいのか眠いのか。
それともお腹が空いたのかしら。
あどけない表情。ちょっと情けない表情にも見える。

この子は無事に大きくなって、サバンナを疾走していたのだろうか。

絶滅の危機に瀕しているチーター。
彼らがこれからも生き続けられるように、と願わずにはいられない写真でした。


展示は、「ねこがお」に続きます。
赤ちゃんから大人まで、いろいろな年齢の猫たちの顔の写真です。

うちの猫たちも、昔の写真を見ると「幼いなぁ〜」と思います。毎日見ているから変化に気づきにくいですが、昔と比べてみるとこの子達も大人になったんだなと。

「ねこがお」も最初の写真はただひたすらに可愛い子猫たち。
岩合さんファンにはお馴染みの「海ちゃん」とその赤ちゃんのツーショットも。

進むにつれてだんだん大人の猫の顔になっていきます。
にゃん生を重ねた大人の猫、外で生きる傷だらけのオス猫も。

みんないい表情をしていました。


最後は「Masai Mara」へ。

こちらは7/30までです。

ケニアのマサイマラ国立保護区で撮影した動物たちの写真です。

マサイマラ国立保護区はタンザニアとの国境近くにあり、タンザニアに広がるセレンゲティ国立公園と隣接しています。

マサイマラの近くに「ニャモンゴ」という地名を発見(だからどうした)。

まず、ライオンの子どものへそ天写真にやられました。やられてばっかり。

ライオン、ゾウ、キリン、シマウマ、スイギュウ。
マサイマラを代表する大型の動物たちに加えて、犬みたいで可愛いセグロジャッカルや美しい鳥たちの姿も。チーターの姿は文句なしにかっこいい。

驚いたのが、キリンの前脚の上の肩のあたりから首にかけての逞しさ。
肩から前が体の半分くらいを占めているんじゃないかと思わせるマッチョさで、頭に思い描いていたキリンの姿とだいぶ違いました。


動物たちの写真を見ていたら、ふと「自分はこの光景を直接見ることなく死ぬかもしれないんだよなぁ」と。見たかったらアフリカに行けばいい話なのですが。

すごくちまちました社会であれこれくよくよ頭を悩ませている私。

世界には自分が見たこともない、想像すらできない光景が広がっている。そして日々ダイナミックな命のやり取りが繰り広げられている。

そう思うと、自分の悩みがすごくちっぽけなものに思えてきました。



岩合さんの写真を堪能した後は銀座へ。

外国からの方が半分以上なのでは?というくらい、日本語以外の言語しか聞こえてきませんでした。漂ってくる香水の香りもどこか異国風。


目的地はGINZA SIX。
現代美術作家ヤノベケンジさんの作品「BIG CAT BANG」を見たかったのです。

大阪育ちのヤノベさん。創作の原点は「太陽の塔」にあるそう。

岡本太郎さんの「芸術は爆発だ」はヤノベケンジさんに受け継がれ「猫大爆発 BIG CAT BANG」へ。

生命はどこから来たのか?という問いに対し、ヤノベさんのイマジネーションが炸裂します。

上のページにYou tubeの動画があるので、ご興味のある方は是非ご覧を。
最初はクスッと、最後は切なくなってホロリ。また泣いている私。
絵も可愛らしいです。

それはこんなストーリーです(私が勝手に要約)。

宇宙の始まりの大爆発、ビッグバンのあと、無数の宇宙船「LUCA号」が宇宙を漂っていました。乗っていたのは「SHIP'S CAT 宇宙猫」。
宇宙船のうちの1つが原始の地球にやってきました。
宇宙猫は地球に生命の種を蒔き始めました。やがて原始の生命が誕生。猫たちは幾度の危機を乗り越え生命を育て続け、多くの生命が地球上に誕生しました。しかし人類が現れる頃には猫たちも疲労の色が濃くなっており、LUCA号の燃料も尽きていました。猫たちは次々に倒れ、LUCA号の猫耳も取れてしまいました。

現在の太陽の塔は、役割を終えたLUCA号の残骸。
そして、もしかしたらあなたのそばにいる猫はこの宇宙猫の生き残りかもしれません。


宇宙猫の乗り込んだLUCA号。無数の宇宙猫が飛び出しました。
前から見たところ。SHIP'S CATが見つめる先には何があるのだろうか。

真下から見上げたかったのですが、真下にはGIVENCHYとDolce&Gabbanaの店舗が。お買い物の予定があったら良かったのですが、残念ながらナシ。斜め下から眺めました。

それでも迫力十分!

SHIP'S CATが通路にも展示されていました。
この猫たちが地球に降り立ち、生命の種を蒔きました。そのおかげで我々は今生きているのです。ありがとう、SHIP'S CAT

ペロッ
宇宙服にも猫耳。


ちゃんと鈴もつけている。

6階の蔦屋書店でガチャを購入。
白と黒それぞれ3種類のSHIP'S CATのうちどれかが入っているとのこと。

家に帰ってから撮った写真。何が入っているかな?

この後、猫カードを物色しに伊東屋へ。
なぜかハムスターのカードを購入。

かわいい♡

この展示、青山の岡本太郎記念館でも同時開催されています。
「ヤノベケンジ 太陽と猫と太陽と」7/11~11.10

うだるような暑さの中、青山へ向かいました。

歩いているとISSEY MIYAKEのお店がたくさん。
コムデギャルソンの前を通りかかったのですが、お店そのものがアート作品のよう。入ってみたかったけど勇気がなく 笑。横目で見ながら通り過ぎ、岡本太郎記念館へ。

岡本太郎記念館は緑がいっぱい。

こちらの展示、始まったばかりなので、中の展示の写真は控えます。

こじんまりした展示でしたが、1階の岡本太郎のアトリエと2階の展示室は宇宙猫の壮大なストーリーがギュッと詰まっていて見応え満点でした。
遊び心のある展示も見ていて楽しかったです。
ヤノベさんが宇宙猫たちにこめた思いを語る映像も必見です。


大阪の太陽の塔にも行ってみたくなりました。
ついでに大阪の中之島美術館の前にあるSHIP'S CATにも会いに行きたい。
大阪市立自然史博物館で開催中の特別展「ネコ」も見に行きたい。
大阪が私を呼んでいます。


庭の写真を少しだけ。

庭にも宇宙猫が!
この大きな植物は「芭蕉」。英名はJapanese Bananaだそう。

この、実のような形のものは花。
雨宿りできそう。
ベランダに佇む太陽の塔。カオナシっぽい。
下にいる宇宙猫を見て昔を思い出しているのでしょうか。

暑いし腹ペコだったので、展示を見終わった後、庭に面したカフェに入りました。
「A piece of cake」というこじんまりしたお店で、店名の通り、美味しいケーキが食べられます。コーヒーもケーキも本格的。美味美味。

青山のみゆき通りにあった街路樹。姿が清々しくて街の雰囲気にあっていましたが、
薄い緑色の花?がたくさん落ちていて、掃除が大変そう!

帰宅後、ガチャの開封儀式。

伸びをしている黒猫と見返り白猫でした。
小さいのに細部までちゃんと作ってあります。
猫らしいポーズもいいですね。
こうなると全種類欲しくなります。

黒は福島で展示されたSHIP'S CAT、白は高松のホステル屋上に設置されているSHIP'S CATだそう。

というわけで猫づくしの1日でした。

夜も相変わらず床に落ちている我が家の猫たち。
彼らもひょっとしたら宇宙猫の末裔かもしれません。

君たちは偉大だよ!


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