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「決めれないうさぎ」

ある日、家にひとりのうさぎがいました。
そのうさぎはお母さんに、
「このお金を使って、ごはんに入れる具をかってきてちょうだい」とたのまれました。
さっそく市場へでかけたうさぎは、具は肉にしようか、魚にしようか、野菜にしようかまよっているところでした。
市場に着くとライオンに出会いました。
ライオンは、「この市場ではぜったいに肉を買うべきだよ。あのうまさの肉は世界中に一つもないだろうね」と言いました。
うさぎはなるほど、と思い、さっそく肉屋さんに向かいました。
肉屋さんにむかう途中、黒ねこに出会いました。黒ねこは、
「この市場ではぜったいに魚を買うべきだよ。あそこの店長はお目が高いからね。おいしい魚をすぐ決められるのさ。」
うさぎはなるほどなるほど、と思い、さっそく魚屋へ向かいました。
魚屋へ行く途中、うさぎはパンダと出会いました。パンダは、
「この市場ではぜったいに野菜を買うべきね。しんせんなやさいばっかりならんでいるのさ」と言いました。
うさぎはなるほどなるほど、と思い、やおやさんへ出かけました。
やおやさんにつくと、どこからか声がきこえてきました。
「いやいや、あなたの肉屋さんには負けるよ。あなたの店の肉のおいしさはナンバー1だね。」
この声をきいたうさぎはなるほどなるほど、と思い、肉屋さんにいきました。
すると、なんとその声は黒ねこでした。
うさぎは何がなんだかわからなくなりました。
こうして市場を行ったり来たりしているうちに、すべての食材が売り切れとなり、けっきょく、うさぎは何も買えず、とぼとぼと帰っていきました。

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