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補助金なしで農業をするには 〜農業エトセトラ〜

以前、農業に補助金を投入することについて、
「企業で働いているものには補助金がないのに、
農家だけが補助金を注入されるなんて甘やかしている」
といったような内容の批判を目にしたことがあります。
農家って甘やかされているのかな?と、農業以外の仕事に従事する方の意見を目にしてハッとさせられたことがあります。

一方で、補助金なしで経営することを目指すと、補助金で価格が抑制できている部分の経費も商品価格に計上するので、
「お野菜が高くて買うのに困っています」
「お米が高くて買うのに困っています」
「国産のお肉は高くて買えません」
「サンマが高くて買えません」
と、現時点で「食べ物の値段が高い」と感じている方は、
もっと食べるものを買うのに困るのではないかしら?と思っています。

ただ、補助金で成り立っている一次産業の在り方に疑問がない訳ではありません。
お米の国内自給率は100%近くといわれています。
作り過ぎということで減反政策を推進していますが、米の代わりに作る作物として、麦、大豆、そば、デントコーン(飼料などにするトウモロコシ)などが推奨作物として挙げられており、これらを栽培、出荷することで補助金がおります。

麦は国際情勢により、世界有数の栽培国からの輸入が大打撃を受けています。
大豆は動物性の肉の代替えになるということで、世界的に需要が高まっています。また、日本食が広く世界に認知されたことで、大豆製品である味噌、醤油、豆腐は世界中で食べられるので、日本の大豆製品の生産者が大豆の入手に苦労しています。

そういった外部環境もあるので、米から他の作物への栽培転換が進むのは納得ですが、麦、大豆、そば、デントコーンの大量生産国と日本とでは栽培できる農地の面積は比べるまでもありません。
日本は、ヘリコプターで散水したり農薬を撒いたり、超大型機械で栽培収穫するような耕地面積を確保できるのは北海道くらいで、その他の地域は真似できませんし、必ずしも真似しなければならないことでもないように感じます。

これらの米に代わる栽培作物は、補助金で販売価格を補助してもらって初めて農家の収入がなんとかなっている状態なのです。
【補助金が注入されて農家の収入が担保される】
それは健全なのかしら…?と疑問が年々膨らんでいます。

”補助金漬けから卒業したい”
”販売価格に納得して購入してくださる方に販売したい”
という欲求が、私の心で高まってきています。
補助金は【今】をなんとかするには良いでしょうけど、補助金だって税金ですから、現役世代や将来への借金を増やしていることに変わりはありません。
補助金があって成り立つことについて疑問を持つことは、補助金を受け取る側の責任として必要なこと、と(遅ればせんがら)思うに至ったのです。

農家が甘やかされている、というよりも、補助金の注入がなければ生産者が成り立たない、消費者が購入できない、という仕組みに疑問を持ち、自分でできる改善を図る。
これがこれからの私にできることなのではないかな。

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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