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白猫の里親探し難航中

安易なペットの飼育によるさまざまな課題が取り沙汰される中、飼い主の高齢化、死去によりペットの飼育が困難になる、ということも大きな問題の一つです。
まさか自分がこの状況に接することになろうとは…

ヘルパーさんによる介護支援を受けていた一人暮らしのお年寄りが、少しずつ認知症の症状を悪化させていた頃、そのお年寄りが健康な頃から執心していた白猫を見つけ、野良猫である白猫の様子を何日も観察した結果、保護して帰ってきました。
その方は、以前飼育していた白猫が忘れられず、保護した猫にも同じ名前をつけて、まさに猫可愛がりをしました。
しかし、猫は元捨て猫。拾われて餌に不自由しなくなったものの、飼い主からの一方通行の愛情に度々牙を剥く始末。
出入りしているヘルパーさんにも、時に牙を剥き、人間との信頼を構築できずにいました。
でも、「頭を撫でて」と甘えてくる白猫。人間に甘えることを知っています。

ある日、そのお年寄りは認知症と高齢による老衰で自宅で倒れているところを発見され、入院することに。
猫は、出入りしていたヘルパーさんが継続してお世話をしていました。
しかし、お年寄りは1年の闘病ののち亡くなりました。

高齢の一人暮らし世帯など日本にはたくさんあります。
ペットを飼っている方だっているでしょう。
では、その飼い主が亡くなったら?

猫(犬も同様ですが)は、子猫(子犬)の頃が一番里親が見つかりやすいとされます。
大人になった猫にはクセがありますし、飼い主の習慣が染み付いていて里親に馴染むか分かりません。
捨て猫の場合は年齢も不詳なので、せっかく仲良くなっても何年生きるかも分かりません。

近年、お年寄りとペットが一緒に老人ホームに入りことができる施設もあると聞きます。
飼い主の死去後は、施設内で猫の余生を見守ってくれるところもあるそうです。
今回も飼い主が倒れた段階で、そういった施設に飼い主と入居できないか探してみましたが、田舎にそんな施設はありませんでした。

では、親族が引き受ける選択肢はないのか、というと、飼い主になれそうな親族自身が高齢になりつつある(60代後半)、もうすでに保護猫を多頭飼い(3匹以上)している、白猫のいる場所から1000キロメートル以上離れている、疾患等により飼育者として不適等々、受け入れ先探しは容易ではありません。

県の里親探しのホームページへの掲載、全国的な里親ネットワークへの掲載、地元の保護猫施設への問い合わせ、色々試みていますが梨の礫で早2年になろうとしています。

ペットを飼うときは、飼い主自身の年齢と飼育困難になった時のバックアップを考えて、と痛感しながら、今日も里親探しを継続しています。
猫の余生を人間の勝手で終わらせず、きっと素敵な飼い主に出会えると信じて。

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