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二次予選2日目7.8グループ

7/30に行われた二次予選7.8.9.10.11グループのうち、私は7.8グループを現地で聴くことが出来たので、そのレポートをします!



柏 匡之輔さん

ショパン/エチュード ハ長調 Op.10-1
リスト/ピアノソナタ ロ短調 S.178

柏さんの演奏で特に印象に残ったのは、出だしの華やかさ。明瞭なタッチで始まったショパンエチュードOp.10-1にグッと心を掴まれました。
”ピアノの魔術師”リストらしい超絶技巧満載のソナタロ短調も、見事に弾きこなしていました。
全体を通して感じたことは、アクセントの音がクリアでとても綺麗だったこと。ガツンと響く音がとても素敵でした。

鈴木 愛美さん

J.S.バッハ/平均律クラヴィーア曲集第2巻 第22番 変ロ短調 BWV891
ショパン/エチュード 変ト長調 Op.10-5 「黒鍵」
ブラームス/8つの小品 Op.76 より 第1、2、5、8番
シマノフスキ/メトープ Op.29 より 第1曲「セイレーンの島」

鈴木さんは「黒鍵」のエチュードが本当に素晴らしかったです。この曲は冒頭の有名なモチーフが何度も登場しますが、他のメロディからこのモチーフに入る時の切り替えがスパッとしていて、すごくメリハリのある演奏でした。
シマノフスキは雰囲気を作るのがめちゃくちゃうまかったです。不思議な雰囲気の演奏に引き込まれました。また、不協和音をとても注意深く聴かれているなと感じました。ペダルを使ってとても繊細に表現されていました。

稲積 陽菜さん

J.S.バッハ /トッカータ ニ長調 BWV912
ショパン/エチュード 変ト長調 Op.10-5 「黒鍵」
ショパン/舟歌 嬰ヘ長調 Op.60
ドビュッシー/12のエチュード より 第11番「組み合わされたアルペジオのために」

稲積さんはショパンの「舟歌」がとても穏やかで心地の良い演奏でした。ドビュッシー/12のエチュードはとても面白い曲だなと思いながら聴いていました。ドビュッシーらしい独特の和音や音階をとても弾きこなしているところがすごかったです。また、高音の響きが素晴らしくて、キラキラしていました。この曲は高いシのフラットで終わるのですが、演奏が終わった後の余韻がとても綺麗でした。

髙尾 真菜さん

ラモー/新クラヴサン組曲集第1番(第4組曲) より 「サラバンド」
ショパン/エチュード 嬰ハ短調 Op.10-4
ドビュッシー/映像 第1集
スクリャービン/ピアノソナタ第2番 嬰ト短調 Op.19 「幻想ソナタ」

高尾さんの演奏で印象に残ったのはドビュッシーとスクリャービンです。ドビュッシー/映像 第1集はドビュッシー独特のつかみどころのないトーンがものすごく綺麗に表現されていました。柔らかい音色がとっても素敵で、すごく本人に合った選曲をされているなと感じました。スクリャービンの演奏で感じたのは弱音が本当に綺麗だということです。フォルテからピアノに切り替えた時のピアノが繊細で美しかったです。

加藤 亜咲美さん

J.S.バッハ/フランス組曲第5番 ト長調 BWV.816
ショパン/エチュード 変ニ長調 Op.25-8
バルトーク/ピアノソナタ Sz.80

加藤さんは、3曲とも全然音色が全然違いました!バッハの整然とした格調高い音色、ショパンの甘くロマン派らしい柔らかい音色、バルトークの民族音楽を元とした独特で少し鋭い音色。一台のピアノからこんなにもたくさんの音色が出るのかと驚かされるとともに、コロコロと変わる印象が楽しかったです。特に印象に残ったのはバッハです。余分な表現が付け加えられていない洗練された演奏が素敵でした。トリルの入れ方もとても綺麗でした。


現地で演奏を聴いてみて、演奏者さんの息づかいや細かい音色の違いなど、配信では伝わり切らない部分を感じることができました。特に音色の違いは、現地から帰ってきてから配信のアーカイブを聴いてより強く感じました。皆さん音の響きが素晴らしいので、実際ホールで聴く音色は別格です。特に繊細な音色は現地だからこそ聴けるものでした。
また、緊迫感のあるところでは一緒にハラハラし、歌うような所では一緒にその雰囲気の中に入り込む、というように演奏者さんと一体になって演奏を聴くことができるのが、生で音楽を聴く、ということの良さかなと感じました!

ピティナ特級はまだまだ続きます!
三次予選、セミファイナル、ファイナルも楽しみにしています!!

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