僕の聖愛日記 過去編⑤
新百合ヶ丘は栄えていた。
僕の住んでた登戸よりはるかに。
とりあえずどうしようか?となり、開いてるお店を探す。
探すのに時間は掛からなかった。
店に入り半個室的なところに通される。
とりあえずビールをお互い頼み乾杯。
電車内で散々盛り上がってたテンションが一旦リセットされる。
ちょっとだけ緊張。
改めて面と向かって彼女の顔を見た。
店の照明のせいなのか、はたまた酔いが程よく回っていたからなのか朧げだが、とても妖艶に見えた。
彼女(以下B子)は僕と同い年だった。
たまたま友達に呼ばれてライブを見に来てくれていたらしい。
その友達も途中で帰ってしまいその場の流れに任せて打ち上げにも参加したとのこと。
知り合いの直接的な関わりがないことが分かり少しホッとした。
電車内では音楽談義に花を咲かせていたのに不思議と面と向かい合って静かな空間に放り込まれると、口から出るのは音楽の話ではなくプライベートの話ばかりだ。
恋愛遍歴や、趣味嗜好など色々聞いていく。
どうやら半年前に彼氏に浮気されて別れたらしい。
僕は浮気不倫には耐性がある(最低)ため、B子の悩みや葛藤を耳を痛くしながら聞いていた。
僕とB子には不思議と共通点が色々あった。
年齢、血液型、趣味(音楽の)、働いてるエリアなどなど。
そして極め付けはB子もバツイチであったことだ。
子供はいない。
そして、「今日のライブではとらさんが1番カッコよかった」と言われた。
すっかり舞い上がってしまう。
あと、顔も忘れられない元彼とちょっと似ていたらしい。
だから打ち上げの時も、目が合ったのか。
納得する。
嬉しさのあまりお酒が進む。
僕は自分でも認めてしまうくらい、惚れやすい性格だから、その時すでにB子に惚れていたと思う。
ふと時計を見ると時間はすでに深夜2時。
周りを見渡しても店内には我々の他に1組しかいなかった。
僕は意を決してトイレに行った帰りに、B子の横に座ってみた。
嫌がられない。
香水なのかシャンプーなのか、甘くていい香りがした。
そのまま横並びになり話を続ける。
色々話をしたと思う。
ただ話の内容が全く入ってこない
なぜなら僕の頭の中はB子とキスをしたい気持ちしかなかったからだ
会話が途切れたタイミングで
「キスしていい?」
ストレートに聞く。
「、、いいよ」
そっと唇を重ねた。
B子の唇はとても柔らかく、また良い匂いがした。
興奮で脳が沸騰しそうだった。
ただお店の中だったので、ここは我慢とグッと堪える。
B子の顔を見ると目がトロンと蕩けている。
これはイケると確信し、出ようとお会計を済ませた。
B子は無言で上着を羽織り出る準備をした。
この後の展開を覚悟したかのような顔をのぞかせて。
僕の下半身は、、
いや、あえて言うのはやめておくことにする。
続く
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