雪で消せぬ日

移動する密室に蔓延するニオイ。

老人は躊躇いも遠慮も捨て置き笑うだけ。

未来は純白だったのだ。

未来はとても純白だったのだ。

異臭はその無垢を穢し尽くす。

欲も理性も持たぬ、無機質で不快な怪物。

老人は己の脚をあてにせず、男に縋る。

男は嫌気が差しつつ刃向かわない。

反逆は罪であると積み上げてきた知識が語る、語る、騙る。

独白は罪か。

独白は毒か。

吐き出し汚染する毒か。

忌々しい老人の正論。

ケチに暇を持て余す、残り僅かな余生を弄ぶ。

虚ろな人々は正しさを崇める。

美徳は

教義は

信念は

そうして人々の未来を縛り付ける。

男は切符を捨てようか捨てまいか、ひどく深い思索に耽る。

あれは白だったのに、老人の従属である限り灰は取れない。

男は喚く気力もなく伏せるばかり、弱々しく女々しく伏せるばかり。

あてにしないでと言えぬ臆病。

我が敵は我にあり、かつて好んだ歌のよう。

思い浮かぶのはまるで鬼の形相。

老人よ、なぜ自力で立たない。

ならばなぜ誇らしげにしていられる。

散った英霊たちに、これから産まれる子々孫々にどう顔向けする。

これこそ悪辣な厚顔無恥の体現者。



ひとまず、ヒトの車でタバコ。
そんなヒトが常識を語る世の中に、果たして常識などあるのだろうか。
僕が思うに、ソレを崇拝するのは統一教会の信者と変わらない。
存在しないものを崇める人々。
アイドルオタクは……素晴らしい。実在するものを崇めているじゃあないか。

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