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新興宗教と聖地巡礼

2010年に統一教会の信者が、韓国の教団に直接献金を持ち込んだという証言がニュースになっていますね。

Xで「私も鞄にお金を入れて持って行けと指示された」という元信者の証言も見かけます。このニュースを見たときに、私の友人のことを思い出しました。

彼女は統一教会の祝福2世で、4人姉妹の末っ子でした。
ご両親は教団への奉仕活動をさせられて、高校までしか出ておらず、お父さんは建築現場で働き、お母さんは専業主婦です。
彼女自身も高校を卒業してから統一教会のフロント企業で働いています。おそらく手取りは18万円もありません。

統一教会の祝福2世同士で、彼女が言うには「神の前に許された結婚をしなければならない」ために、彼女は同じようなおうちの出身の男性とお見合い結婚しました。彼は工場で働く契約社員で、彼の両親と同居して暮らしています。ふたりの間に恋愛感情はありません。

このニュースを見たときに私が思い出したのは、そんな彼女が「数年に一度は研修のために韓国に行っている」と話していたことです。手荷物に現金隠して運んでの献金も問題だけど、そもそも彼女みたいな貧困女性を何年かに一度韓国に呼び寄せているのが私は信じられないし、許しがたい。

彼女は基本古着で、1000円以上のお洋服は買わない。遊びに行くのは通勤定期券内で、外食はめったにしません。昼食に何食べた?と聞くと、白米とおしんこしか食べていないときがある。子どもの頃に遊園地や動物園に遊びに行った記憶もない。たまに会ったときに一緒に行くファーストフード店でも、飲み物は絶対つけないようなつましい生活してるのに、「なぜ何度も韓国に行くの?」って疑問でした。

彼女は韓国の合同結婚式に出ていますが、「どんなドレス着たの?」なんて話も出来ません。
私は結婚記念日に夫とホテルに泊まって、翌日そのホテルでの豪華なランチを楽しみましたが、そんな話も出来ません。
彼女が結婚記念日のディナーを、好きで結婚したわけでもない夫と、大戸屋の定食で済ませていることを知っているからです。

同じ宗教2世でも、私たちはなんて遠いんだろう、と思います。
最近駅前でエホバの証人の人々を見ると、(あそこに立っていたのは私や私のお母さんだったかもしれない)と思うようになりました。

統一教会は信者たちを韓国へ聖地巡礼させますが、私の所属している創価学会はこれを逆に、アフリカなどの発展途上国相手にやっています。
アフリカのとある国のSGIの男性が日本へ研修旅行に来たとき、私は地元の会館に出向いて彼らの歓迎会に参加したことがあります。アテンドした日本側の幹部が「彼は私財を投げ打って日本に来たから、祖国に帰ったら無一文に近い」みたいなことを平気で言っているのを聞きました。
そんな状況にも関わらず仏法を求めて日本にやってきたのだと、酔っぱらったようなことを話していました。
私が現役の頃だから、15年ほど前の体験です。

勿論彼にとっては一生に一度の聖地巡礼の旅だったのだろうし、献金を鞄に詰めて持って来いとは言われていないと思いますよ。
ですが日本の統一教会の元信者たちが韓国の統一教会に対して「ふざけんなよ」って思っているように、海外の発展途上国の学会員の家族も、日本の創価学会のこと「ふざけんなよ」って思っているのだろうな、と私は思うのでした。

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