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Come o'er the Sea 海を越えておいで アイルランド民謡


アイルランド民謡「come over the sea」

※「o'er」は、「over」の詩的な短縮形です。

歌詞:Thomas Moore (1778-1852)


トーマス・ムーアは、アイルランドの詩人。アイルランド古謡に英語の歌詞を加えた『アイリッシュ・メロディー』(Irish Melodies アイルランド歌曲集)「ミンストレル・ボーイ」や「夏の名残りのばら」(= 「庭の千草」)の作詞者として知られています。


Come o'er the sea, Maiden! with me, Mine thro' sunshine, storm and snows!
Seasons may roll, But the true soul Burns the same where'er it goes;
Let fortune frown, so we love, and part not;
'Tis life where thou art, 'tis death where thou art not;
Then come o'er the sea, Maiden! with me,
Come wherever the wild wind blows;
Seasons may roll, But the true soul Burns the same where'er it goes.

海を越えておいでよ、乙女! 私と一緒に、太陽の光、嵐、雪を乗り越えて!季節は巡り、真の魂はどこへ行っても同じように燃えます。幸運が眉をひそめるように、私たちは愛し、別れません。
あなたがいるところに生があり、あなたがいないところに死があります。それなら海を越えておいでよ、乙女よ! 私と一緒に。荒風の吹くところなら、どこへでも来てください。季節は巡り、真の魂はどこへ行っても同じように燃えます。


Was not the sea, Made for the free, Land for courts and chains alone?
Here we are slaves, But on the waves, Love and liberty's all our own;
No eye to watch, and no tongue to wound us,
All earth forgot and all heaven around us,
Then come o'er the sea, Maiden! with me,
Mine thro'sunshine storm and snows;
Seasons may roll, But the true soul
Burns the same where'er it goes.

海は自由の為に作られ、土地は法廷と鎖の為だけのものではなかったの?
ここでは私たちは奴隷だけど、波の上では愛と自由は全て私たちのもの。監視する目もなければ、私たちを傷つける舌もありません。
地球全体が忘れ、私たちの周りの天国も全て忘れてしまいました。それなら海を越えておいでよ、乙女よ! 私と一緒に。太陽の光の嵐と雪が降り注ぐ。季節は巡り、真の魂はどこへ行っても同じように燃えます。

トマス・ムーア編:「アイルランド歌曲集」


学び

拍子(La mesure):6/8拍子
(2 temps ternaires =3分割された2拍子)
調性(La tonalité):ニ短調(Ré mieur)
短調における導音
(La note sensible en mineur):ド♯
6度と3度の協和音程
(Intervalles harmoniques de sixte et de tierce)

※協和音程
 完全協和音程:完全1・4・5・8度
 不完全協和音程:長短3・6度
※不協和音程
 協和音程以外の音程(=2つの音の隔たり)

シチリエンヌ(La sicilienne):シチリア風舞曲


1649年:アイルランドはイギリス初の植民地に
1801年:イングランドに併合「大ブリテンおよびアイルランド連合王国」に

1845~49年:大飢饉
アイルランドの主要作物であるジャガイモの不作で大飢饉に陥ります。それでもイギリスは、アイルランドからイギリスに食料を輸出するよう要求し続けます。その結果、100万人以上の餓死者が出たと言われます。社会的地位も低く貧しいアイルランド人は、生き延びるためにアメリカ、カナダ、オーストラリアなどに移住しました。

1922年:アイルランドはイギリスから独立。
2022年:1人当たり名目GDP 世界第3位。


映画「タイタニック」

1912年に沈没した豪華客船タイタニック号を舞台に、庶民の画家ジャックと上流階級の娘ローズの恋を描いた映画作品。
アカデミー賞では14部門にノミネートされ、11部門(作品賞、監督賞、撮影賞、主題歌賞、音楽賞、美術賞、衣装デザイン賞、視覚効果賞、音響効果賞、音響賞、編集賞)を受賞しました。

3等客室でのダンス・パーティー場面では、アイルランド音楽に合わせて、自由に踊る様子が描かれています。



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