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IgA腎症記録【初期症状~腎生検~ステロイド治療】


【はじめに】
私はIgA腎症を患う、37歳会社員。
自身の体験やそこで得た知識を共有し、同じ病気で悩む人やその家族の力になれればと思い記事を書いた。

【初期症状】
20代後半の健康診断にて、2年連続で尿蛋白の異常値が検出される。後日、会社の産業医で再検査をしたところ、腎臓の濾過機能を担う“糸球体”の詰りによる腎炎疑いと診断される。(腎臓が何らかの原因で炎症をおこし、そこで濾過出来なかったタンパク質が尿中に大量排出されている状態)
それから半年ほど、投薬治療にあわせ、食事制限・就労制限で腎臓に負担をかけない生活を指導される。
しかし、一向に数値が改善されず、風邪をひいた際に麦茶色の血尿が出たため、大学病院での検査を勧められる。

街の診療所から大学病院へ


【腎生検】
紹介された大学病院にて、改めて全身の検査をしてもらう。
結果、中程度の腎炎疑いとのことで、2ヶ月おきの通院、投薬治療、日/6gの塩分制限、たんぱく質制限で経過観察をすることになる。
それから半年が過ぎても数値が改善されない為、主治医より『腎生検』での精密検査を薦められる。
腎機能を正確にとらえるには、尿検査や血液検査だけでは難しく、腎細胞での検査が必要だそう。
腎生検はその名の通り、生きた腎細胞を取り出すために、腰の辺りから針を突き刺す検査である。

針を刺された痛みとその後の鈍痛はなかなかのもの、、


ネットで調べると痛く辛い検査のトップランカーに挙がる。
術中の針の痛みだけではなく、術後も傷口を押さえるため、半日背中を圧迫し続ける大変に苦しい検査である。

斯くして『IgA腎症』と確定診断された。

【ステロイドパルス療法】
その後、数値の緩やかな悪化にともない、主治医から『ステロイドパルス療法』を提案される。
これは多量のステロイドを短期間に集中投与する保存療法で、3日間連続の点滴投与(1g)を1クールとして、程度により1~3クールおこなう。終了後もステロイドを内服し、状態によってもう1~3クールを繰り返す。

ステロイド投与期間は様々な副作用が起こると言われている。私の場合は身体中が浮腫み、膝にも水が溜まって伸脚もままならなくなった。いわゆるムーンフェイス、ニキビや肌荒れにも1年近く悩まされた。 
ステロイド内服を7錠(35mg)→5錠(25mg)→、、、、と3ヶ月検診の度に減らしていき、2年ほどで内服も終了した。

結論を言うとステロイドがあまり効かない体質だったようで、若干の数値の安定は見られたが、寛解は夢のまた夢であった。

病状を維持し、医療の発展を待てるかがカギとなる



【現在】
東京の有名大学病院ということで、担当医も入れ替りが激しく、7年通院し現在は5人目の先生である。先生それぞれが様々な所見を持っているので、話していると勉強になる。
細かな問診、コロナの時期にもワクチンへの助言・サポートなど安心感がある。
ステロイド内服をやめておよそ2年。緩やかに悪化はしているがそれほど急いで治療をする状態ではない。
 2021年より糖尿病治療薬の”フォシーガ”が、日本で初めてとなる慢性腎臓病(CKD)の治療薬として承認された。
この薬の内服により、腎不全への移行抑制が期待される。副作用としてはかなりの頻尿になること。また、腎臓に負担をかけないように一日2リットル近くの水を飲むので、出先でもトイレの位置を常に確認しなければならない。
他にも降圧剤、アルカリ化療法剤、尿酸抑制剤、降コレステロール薬などで総合的に腎機能を守る治療を継続している。

大切なことは病状を維持して医療の発展を待つことである。

これから、IgAを作り出す扁桃腺の摘出も視野に治療を進めていく。腎機能は改善しないものではあるが、あまりクヨクヨせずに生活の中で我慢すること、許すことを明確に分けストレスを減らす。
また、IgA腎症は指定難病なので、保健所で申請をして都道府県から認定されれば、医療費負担が2割に軽減されたり、自己負担上限があったりする。(症状の程度により)
市区町村単位でも助成金が出たりするが、もちろん積極的なアナウンスはないので、自身で問い合わせる必要がある。
私も治療5年目にして知った…

病気に振り回されない程度に付き合いながら、30代後半、これからさらに実りある人生にしていきたい。

道楽若旦那


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