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【ネタバレ感想・批評】『Angel Beats!』

※注意事項※

本記事は、筆者が当該アニメを視聴した際に抱いた感想を綴ったものです。批評としての体裁を保つべく、可能な限り客観的・論理的な記述を心掛けてはいますが、あくまで個人の主張に過ぎず、その他の意見を否定する意図はございません。内容に触れない批評は説得力がないため、全編ネタバレありです。未見の方はご注意ください。なお、筆者はアニメを鑑賞する上でストーリー・シナリオを最も重視しており、作画・音楽・声優等には余程のことがない限り言及しません。ご了承ください。

記事に対する感想・疑問・指摘等あれば、お気軽にコメントしていただけると幸いです。


作品概要

タイトル:『Angel Beats!』
放送開始:2010年春
話数:全13話
原作:麻枝准(オリジナルテレビアニメ)
監督:岸誠二
脚本:麻枝准
アニメーション制作:P.A.WORKS

補足情報:原作/脚本の麻枝准はエロゲーのシナリオライター。その彼がアニメ脚本に初挑戦という触れ込みで作られたのが本作である。アニメ公式サイトでは彼のことを以下のように紹介している。

Key(ビジュアルアーツ社のゲームレーベル)所属のシナリオライター。
今最も著名なゲームシナリオライターの一人で、美少女ゲームに「泣き」「感動」の要素を取り入れた、いわゆる「泣きゲー」と呼ばれるジャンルの先駆け的存在。
また、自身のゲームのテーマソングやBGMなども手がけており、作詞家・作曲家としても高い評価を得ている。

スタッフ|Angel Beats! 公式サイト - アニプレックス

※参考


まえおき

10年の間にこれでもかというぐらい批判され続けた作品で、不祥事とか原作無視とかそういう外的要因を除いて、純粋にシナリオの不出来という点に限れば、ひょっとして日本一叩かれたアニメではないか。なので今更叩くのもどうなのよと言いたくなる気持ちもわかるが、これを叩くことがアニメ批評家としての登竜門のような気もするので、やっぱり叩いておくことにする。


基本設定

とりあえず設定を整理……したいのだが、真面目に考えれば考えるほど無理が生じてくるため悩ましい。

登場人物は全員、未練を残したまま死んだ青少年。事故死の場合、死に際して脳が受けたダメージで記憶をなくしていることが多い。ただし、生前持っていた身体的障害の類は取り払われる。幽霊なので病まず死なず、傷を受けた場合、痛みはあるが時間経過で回復する。
舞台は学校だが、彼らが生前通っていたそれではなく、神(?)が用意した虚構の学園である。学園には彼らのほかに「NPC」と呼ばれる、意志を持たない動く人形のような連中(いわゆる哲学的ゾンビ)がいる。慣れてくると見分けがつくようだが、外面上の差異はない。生徒の大半と、教師の全員がNPCであり、学校は主として彼らが運営している。生徒数は2000。幽霊・NPCは年を取らず、年単位で同じような生活を繰り返しているらしい。定期テストや球技大会の存在から暦の概念はあるものと推測されるが、休日や長期休暇の描写はない。学年はあるが決定基準は不明で、進級している様子もない。生徒はみな寮暮らしな模様。教師は不明。学校には電力や水道管が配備されているが、供給元は不明。ある程度なら学校の外に出られるようだが、彼ら以外の人間は確認されておらず、言うなればゴーストタウンのような状態である。野生動物はいる。

すでに雲行きが怪しいが、本題はここからで、幽霊は前触れなくこの世界から消失することがある。彼ら自身は、模範的な学生生活(校則を守り、真面目に授業に参加する)を送ると、この世界の造物主たる神により消される、と認識している。実際には、生前抱いていた願望が成就すると、満足して消滅=成仏する。ただし、こちらの世界で新たな未練が生じている場合、それも解決する必要がある。一方、見かけ上模範的な行動をとっただけで消滅したという報告もある。
学園には「天使」という渾名の生徒会長がおり、彼女は模範的な学生であることを強要し、反抗すれば実力行使へ移行する。具体的には、虚空から刃を発生させるファンタジックな攻撃で黙らせる。天使がNPCかどうかは、物語開始時点では不明。幽霊たちは彼女を神の手先とみなし、彼女の支配に対抗すべく、「死んだ世界戦線」という武力団体を結成している。銃で武装した文字通りの武力団体で、教師など目もくれず学内でドンパチやらかすが、天使に銃弾は効かないのであまり意味はない。多くの幽霊はこの戦線のメンバーであり、そうでない幽霊はおそらく「模範的な学生生活」を全うし、成仏していくものと思われる(つまり、それ自体が彼らにとっての宿願だという解釈)。本作は記憶をなくした状態で学園にやってきた主人公が、無理矢理入隊させられるところから始まる。


各話解説

まず問題なのは、メインストーリーに使える尺が、実質ラスト4話しかないことである。それまで何をしてるのかというと、消える条件を筆頭に世界のルールをひたすら勘違いして、見えない敵相手に茶番劇を繰り広げているだけ。ぶっちゃけ2~9話は、一部回想シーンを除いてまるごと必要ない。

1話。記憶のない主人公は、戦線リーダーから消える条件(勘違い)を聞かされ、とりあえず戦線に留まる選択をする。本日の不穏分子的活動は、一般生徒から食券を巻き上げること。まるで貨幣経済が成立しているかのような口ぶりだが、先述の通り学外に人の存在は確認されていない。もちろん、食糧の出所も不明。食堂付近で天使との銃撃戦が行われていても、教師の介入はおろか、一般生徒が逃げ出すことすらない。

2話。弾薬が尽きたため、地下のアジトへ調達に行くらしい。繰り返すが、天使に銃弾は効かない。アジトは軍需工場となっており、製造工程が記憶にあるものなら全て土から作れるらしい。拳銃やダイナマイトもか? アジトへの道は対天使用のトラップが満載なのだが、なぜか一切解除せずに進んで次々犠牲になる。最終的に残ったのは2名だが、それ辿り着けたところで運び出せなくね。

3話。女子寮にある天使の部屋に侵入する。曰く、神に繋がる手がかりがあるらしい。根拠は不明。彼女のPCをハックしたところ、刃を出す力と銃弾を弾く力が、PCソフトによるプログラム(?)だと判明する。
一方、戦線メンバーでもある学生バンドの人気ボーカルが、ライブ中に消失する。彼女は失語症のためミュージシャンになる夢を閉ざされた過去があり、その夢が満たされたことで成仏したのだが、それだとむしろ遅くないか。ともあれ、今まで信じていた消失条件が誤解だったと気付いた戦線メンバーは動揺するが、なぜか翌週には忘れ去られ、天使への反抗が継続される。

4話。なぜか球技大会に真面目に参加する。種目は野球。メンバーの一人に生前、自分のエラーで甲子園を逃した野球部員がおり、その時を再現したかのようなシチュエーションが試合中に発生する。今度はこいつが消えるのかと思えば、ギャグで落として試合終了。

5話。定期テスト期間。天使の赤点答案を偽造し、権威失墜による解任を狙うらしい。ギャグかと思ったら本当に解任されて笑った。繰り上がりで会長代理になった副会長は、天使同様校則の遵守を命じ、逆らう者を反省室送りにし始める。

6話。このあたりから本格的に理解を超越してくる。NPCかと思われた副会長は実は幽霊で(慣れると見分けつく設定はどこへ)、戦線メンバーを銃で痛めつける。メンバーはなぜかされるがままで、副会長はボロボロの彼らを前に、消滅の条件は前世の願いを叶えることだと改めて話す。なぜ彼が知っているのかは不明。彼の目的は生徒を無理矢理成仏させることらしい。動機は不明。彼は密かに練習していたという催眠術(本物)で、リーダーの前世の記憶を呼び起こさせようとするが、主人公が殴りかかり阻止、なぜか副会長は自身のトラウマを回想しだす。内容はどうでもいいので省くが、何も知らないはずの主人公はいきなり彼に抱き着き、「お前の人生だって本物だったはず」と彼を肯定し始める。すると彼は改心し、一転して主人公のシンパとなる。
以上。一言でいうと電波で、作者以外誰も理解できていない。

7話。副会長の催眠術で、主人公の記憶があっさり戻る。生前の彼は妹を亡くしたばかりの高校生で、彼女の死をきっかけに医学部を志し、センター試験の会場に向かう途中で事故死したらしい。それまで授業サボって交通整理のバイトしてた奴が急に医学部って、人生舐めすぎでは。
Bパートでは天使と和解し、一緒に川釣りに行く。30メートルぐらいありそうな巨大魚を釣り上げ、天使が分身を使ってバラバラにする。

8話。7話で作った分身が悪さを始める。荒ぶる巨大魚を倒すために出した分身なのだが、なぜか倒した後も回収されず、それどころか勝手に増殖し、天使本人の意思に反して戦線に攻撃を加え、さらになぜか本体を攫って地下に立て籠る。魚を倒すために出した「敵を排除する」という命令に従っているらしいが、天使にとって彼らは敵ではないし、質量ともに戦力で勝るのに立て籠る意味がわからない。最終的にプログラムの書き換え(?)で分身を吸収するが、100人分の人格が一気に雪崩れ込んだショックで天使が昏睡状態になる。いや、分身なら人格は同じだろ。

9話。主人公が自分の死に様を思い出す。地下鉄の路線に閉じ込められ、救助が間に合わず死んだらしい。まあそれはいいのだが、回想中、死に際の彼がドナーカードを記入すると、周りの人間も触発されて次々ドナーカードに署名していくというシーンがある。はじめこれを見たときは意味がわからなくて、もしや全員医大受験者だからなのかとも思ったが、センター試験の会場は志望校別ではないし、医療知識を主人公しか持っていないという話とも矛盾する(というか主人公も別に医学生ではない)。結局、生き残りの全員が、たまたま未記入のドナーカードを持っていたとしか解釈できず、大いに違和感が残る。そもそもドナーには脳死と心停止の二種があり、心停止の場合速やかに臓器を移植しないと、機能が停止して使い物にならなくなる。救助が来る前に衰弱死した主人公の臓器が役立つとは思えない。

Bパート。天使が目覚める。内部で100人の別人格と戦っていたらしい。ご苦労なことである。天使曰く、この世界は青春をやり直すための場所で、彼女が今まで生徒会長として締め付けを行ってきたのは、無事学生生活を謳歌して成仏してもらうためらしい。校則でガチガチに縛られて夜間外出すらできないのに、青春を謳歌するもないと思うが……
彼女の話を聞いた主人公は、自分は満足な最期だった、でも戦線のメンバーが気掛かりだ、自分と同じように納得のいく人生を送らせたいと語り、彼女に協力して仲間をこの世界から「卒業」させることを決意する。あれ? そもそも戦線は、天使の言いなりになって消えるのが嫌で結成されたのではなかったか。ともあれ、ここで本作のテーマが「青春のやり直し」であることが明かされ、ようやくメインストーリーが始まる。

10話。手始めに、バンドの2代目ボーカルに就任した下級生を卒業させる。手始めというか、最初で最後だが。病弱だった彼女の夢であるスポーツに付き合う主人公。ただなんというか、彼のこの行動は非常に薄っぺらい。例えば生前野球がしたかったやつがいたとして、そいつは野球がワンゲームできれば満足だろうか。そんなはずはない。人間心理とはそんな単調で機械的なものではない。「野球がしたい」という言葉の裏には、仲間と一緒に体を動かしたい、打撃や守備で優れた活躍を見せたい、戦略的な真剣勝負がしたい、プロになってチヤホヤされたいなど、多種多様な含意が隠されている。しかもこれらは全て恒常的な願望で、かつ併発することも多く、一度達成すれば済むという話ではない。他にも本人も気付かない願望や、気付いても口に出しづらい願望だってあるはずだ。にもかかわらず彼女は、ピッチャーと一対一でノックを繰り返すだけの、野球とも呼べない代物であっさり満足してしまう。あまりにも底が浅い。

これは直後の「俺が結婚してやんよ」にも言える。一通りのスポーツを終え、最後に「結婚」という夢を挙げる彼女。するといきなり4話の野球部員が現れ、「俺が結婚してやんよ」「ずっと側にいてやんよ」とまくしたてる。まともな感性の持ち主なら「誰お前」とツッコみたくなるところだが、このアニメはまともではないので、そのまま感動的な挿入歌に乗せて無理矢理成仏させる。まあ、主人公はメインヒロインの天使とくっつける必要があるというのはわかるが、そんな残飯処理みたいな扱いで果たして彼女は幸せなのか?
そもそも結婚願望は、「野球がしたい」などと同様、入籍後の共同生活を見据えた長期的な願望のはずである。結婚の口約束だけで満たされて消えるようでは、チョロインとかいうレベルではない。浅はかな登場人物らがそう捉えるのはともかく、それで実際に成仏してしまうと、神=制作者の人間理解もその程度ということになってしまう。まあ、実際その通りだからこうなっているわけだが。これは実にノベルゲーム作者らしい発想で、各ヒロインごとに決められた行動を取ると、自動的にフラグが立ちエンディングへ移行するという、まさにギャルゲーそのままのシナリオ運びである。はっきり言って、人間を馬鹿にしている。ちなみにだが、「ずっと側にいる」と言った方の彼は、最終回まで成仏せずに残っている。

というかまず、成仏したがっているか確かめる気すらないのが本当にヤバい。いい話風にまとめてるが、やってることは死神だぞ。

11~12話。「影」なる新たな敵が登場し、メインストーリーは打ち切られる。影はNPCが変形したもので、幽霊を取り込みNPCに変えてしまう。天使と違って銃弾が効くので、どうにか抵抗する戦線メンバー。なんやかんやあって、影を発生させている黒幕のもとにリーダーが辿り着く。ここから先は意味不明すぎて合っているか自信がないが、どうにか整理してみる。

黒幕の正体は、男子生徒の姿形をしたプログラムだった。彼の製作者はかつてこの世界にいた幽霊で、どうやらその某は、「この世界は卒業して(=成仏して)いくべき場所」という思想を持っていたらしく、成仏の足枷(=未練?)となる「愛」を疎んじ、世界に「愛」が芽生えた瞬間バグとして除去するプログラムを、天使が使っているのと同じソフトで作成したらしい。なぜそれが人型なのか、なぜ真相を自ら話すのかは不明。なお、具体的な時期は不明だが、プログラムの製作者はこの世界で出会った女生徒と恋仲になっており、のちに彼女が一人成仏したため、その彼女が再び転生してくる可能性に賭けてこの世界に留まり続けるも、先の見えない孤独に絶望し、最後はソフトを用いて自らをNPCと化したという。

……正直、マジで意味が分からない。記事を書くにあたってこの問答パートを10回ぐらい見返したが、なお分からない。
まず根本的にソフトの出所が不明。世界そのものを自由に改変できるようなチートアイテムを幽霊本人らが都合よく生み出せるとは思えないが、かといって最初からあったと解釈するのもあまりに不自然すぎる。そんな便利な代物を手にしておきながら、わざわざ自分達幽霊に不利益のある改変をした製作者の意図も理解不能だし、話の流れからして彼は、成仏の条件やこの世界が輪廻の中継地点であること(※後述するが、最終回の描写からしておそらく)も知っていたと思われるが、当然その理由も不明。卒業の推進という殺し屋じみた目的はひとまず容れるとしても、その手段が愛の排除というのが本当にわからない。普通に考えれば愛なんて持っていない方が珍しいと思うが、どうもこの世界では、「愛」をデフォルトで有する人間は一人もいないらしい。恋愛感情という意味だとしても、影の犠牲者にそんな素振りを見せた者はいない。というか、幽霊全員を無差別に襲ってるようにしか見えない。影の発生条件が愛だというなら、年単位で活動している戦線メンバーが今まで見たことがないのも異常だし、プログラムである影相手に拳銃で対抗できるのも謎すぎる。そもそも、製作者の恋人は愛を知ったから卒業したらしいのだが、じゃあむしろ必要じゃん、愛。

その後プログラムは、製作者同様、世界を都合よく改変しないかと持ち掛ける。願ってもない話のはずだが、どういうわけかマシンガンをぶっ放してその場のPCを全破壊するリーダー。天使みたくバリア出して防げよ。てか、それ壊したら世界がバグまみれになったりしない?

最終回。気が付くと保健室で寝ていたリーダー。寝てる間に、60名以上いたメンバーはほとんど卒業したらしい。あるいは影に食われたか。世間ではこのダイジェスト展開が批判されているが、個人的には登場人物に一切愛着がないので、一周回ってこの在庫処分が気にならない。というか、どうせ10話の二の舞になるだけなのでやらなくてよい。
残った5人のメンバーは、自分達の手で卒業式を執り行い消えていく。この式の演出自体は悪くないのだが、前提が酷すぎてとても素直には見られない。何度も言うが、今から死ぬんだぞお前ら。これまで必死こいて戦ってきたのは何だったんだ。

式も終わり、最後に天使と二人残った主人公、なんとこのまま一緒に残らないかと天使に持ち掛ける。散々人殺ししといてどんな神経だよと言いたくなるが、これに対し彼女は、実は自分は主人公のレシピエントであり、彼の心臓のお陰で生き永らえたと明かす。いやあんた主人公より先に死んでるじゃん。今まで隠してた理由も謎だし、そもそも心臓移植は脳死の場合しかできない。ついでに主人公はなぜか死後も心臓がないままだったことが判明するが、もはやその程度の矛盾は誰も気にすまい。
ドナーに感謝を伝えるという宿願を果たした彼女は消滅し、エンディングが流れる。ラスト、二人して現実世界に転生したかのような描写で終了。この転生描写も中々曲者というか、もし転生できることが最初から分かっていれば、メンバーをもっと自然に卒業させられたはずだ。ただし、転生といっても記憶を引き継ぐわけではないので、それはもはや同じ自分といえるのかという、新たな葛藤が生まれる。実は12話で、作者がこのことに気付いているのではと思わせるシーンがあるのだが、その伏線を回収せず安易な転生エンドに落としたことから、気付いても深く考えずに放置したことが窺える。もし初めから転生とクオリアを扱った作品にしていれば、もっと違う結果になったかもしれないが、荷が重すぎて意味のない仮定だろう。


SF考証

そもそも、この世界の存在意義がわからない。輪廻というものがある前提で考えるが、非業の死を遂げた人間を集め、転生する前に無念を解消させてやる場所なら、もっとダイレクトな救済措置をとればよい。具体的には、生前音楽をやりたかった学生なら、世界的なミュージシャンになった幻想でも見せて安らかに逝かせるとかだ。どうせ全部プログラムなのだから、個人の夢に合わせて世界を書き換えるなど容易い。現状の学校という狭いコミュニティでは、叶えられる願望にどう考えても限りがあるし、その狭い中ですら障害だらけで、夢の空間とは程遠い。それこそ音楽で食べていくのが夢だった彼女など、校則でバンド活動を禁止されるどころか、土くれでギターを作るところからやらされており、あまりに理不尽というほかない。逆に、貴様らの青臭い夢なんぞ知ったことかというスタンスなのであれば、こんな世界自体必要ない。さっさと記憶を消してミジンコにでもすればよい。

それか、ラストシーンは他人の空似で輪廻などはじめからなく、学園はただ死者の魂をいたぶるだけの娯楽施設という解釈でいくか。筋は通るが、そんなもん見せられて何が楽しいのか。


ギャグ

Key伝統の少年誌風ハイテンションギャグは、本作でも健在である。ある程度精神的に成熟した人間なら、ストーリー以前に1話のギャグシーンで脱落するだろう。


まとめ

一言でいうと滅茶苦茶。ありとあらゆる設定・発言・行動が嚙み合わず、それこそ夢か走馬灯とでも言うべき支離滅裂さである。そこに「人間理解が浅い」というKey全般の悪癖が加わり、見るも無残なクソアニメの様相を呈している。酷すぎて逆に笑えてくるので、初めからそういう楽しみ方が目的であれば、これ以上ない適役といえるだろう。ただ、その場合でもギャグのキツさだけはどうしても看過できないため、ギャグパートの気配を感じたら早送りすることをオススメする。


結論

聞きしに勝る酷さ。やはりアニメは実物を見ないとわからない。



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