万博14億 これで打ち止めではない 維新崖っぷち

  2025年4月に開催するという大阪・関西万博への批判が高まる一方だ。その原因は膨れ上がるばかりの費用にある。政府が昨年末に公表した試算では、運営費1160億、会場設営費2350億、万博にかかわるインフラ整備費8390億だ。17年の誘致立候補申請時と比べると、運営費1・4倍、会場設営費1・8倍、インフラ整備費10倍にもハネ上がっている。このため合計1兆1900億に増えた。

 この要因は①会場の夢洲(ゆめしま)への電気、上下水道、交通などの整備が必要②廃棄物、建設残土、浚渫土砂などで埋め立てた夢洲は軟弱地盤、土壌汚染の対策が必須、③資材や人件費の高騰などだ。

 費用はさらにかさむ。万博に向けた行動計画事業「空飛ぶクルマ」実証実験など約3兆4000億、万博に便乗した大型開発と指摘されている中国・四国地方の道路整備や河川改修などインフラ整備費用約9兆が試算されている。なんと総額約14兆という金額になる。当然ながらこれには多くの血税が使われる。

 しかもこれで打ち止めではない。この先まだまだ増えると予測されている。万博と密接につながるIR(カジノを含む総合リゾート施設)開設も目指しているからだ。だからどの世論調査でも万博開催は、反対が多数を占める。運営費の多くを賄うのは入場料収入だが、「万博チケットを購入したいと思わない」は79%(23年12月17付毎日新聞)にものぼる。

 関西学院大学法学部の冨田宏治教授は「大阪・関西万博をめぐる総額14兆円という法外な関連費用が問題になっています。『税金の無駄遣いを許さない』という日本維新の会の旗印がブーメランのように維新を襲い始めています。万博問題は維新の〝アキレス腱〟になろうとしています。維新支持層の中でも『万博不要』の声は高まっている(12月17日付毎日世論調査では7割強)」と述べている(1月27日付新婦人しんぶん)。

 岸田政権は即刻、万博を中止し、能登半島地震の被災地支援と復興のためにカネ、ヒト、モノを最大限投じるべきだ。これが今やるべき最優先の政策ではないか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?