橋詰雅博

1950年12月11日生まれ。北海道札幌市出身。高校時代サッカー部FW。東北学院大学。…

橋詰雅博

1950年12月11日生まれ。北海道札幌市出身。高校時代サッカー部FW。東北学院大学。小金井市在住20数年。元日刊ゲンダイ編集局記者。日本ジャーナリスト会議(JCJ)会員。英国・フランス・韓国・香港・中国などの映画鑑賞。

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東京五輪選手村訴訟 最高裁審理せず上告棄却 五輪に忖度か 原告団、最高裁に抗議声明送付 5月31日(金)集会開く

 二審の敗訴を受けて東京五輪選手村訴訟の原告団は、昨年末に最高裁に上告した。最高裁第二小法廷は「上告棄却」と3月27日に原告団に決定調書を送付してきた。これによりこの住民訴訟は敗訴が確定した。  最高裁が審理せずに棄却したことに対して原告団は「最高裁までが国家的行事である2020年オリンピック東京大会(コロナ禍で1年延期)に忖度して早々に幕引きを図った」と批判した。  改めて都民によるこの訴訟を振り返ってみる。東京選手村用地として約13㌶の晴海都有地を公示価格の10分の1以

    • どうなっている憲法審査会、議員任期延長を突破口に改憲 戦争する国づくりへ

       自民党の派閥裏金事件に端を発した「政治とカネ」の問題。連日大きく報じられているが、見過ごされているのは衆議院憲法審査会の動向だ。メディアはほとんど報道しないが、実は自民、公明、維新、国民民主などが一体となり改憲への作業を着々と進めている。  その突破口となっているのは国会議員の任期延長論だ。任期延長論と改憲、一見無関係に見えるが、大災害など自然災害やパンデミック(感染症の世界的大流行)を口実して、国家有事・武力攻撃(戦争)事態が起こったときも、適正な選挙の実施が困難と予想さ

      • ガザで実証済みAI兵器 イスラエル新興輸出へ 民間人犠牲者の急増必至

         AI技術先進国のイスラエルでは新興企業が自ら開発した各種AI兵器の輸出に乗り出している。これらの兵器はパレスチナ自治区ガザでハマスと戦闘を続けるイスラエル軍に提供したもので、実証済みであることがセールスポイントだ。  例えばスマートシューター社の代表製品は、標的を自動識別する装置。イスラエル軍は「ハブソラ(福音)」と名付けており、英陸軍は小型のものを小銃に装着してドローン撃墜する訓練を行っていると英BBCは報じている。 空爆・砲撃の標的を自動的に数多く設定する「ハブソラ」は

        • 「セクシー田中さん」事件で注目 著作者人格権奪う世田谷区 見直し求める要望書にゼロ回答

           原作者で漫画家の芦原妃名子さんが自死(享年50)に追い込まれたドラマ「セクシー田中さん」事件は、出版元の小学館、映像化した日本テレビを巻き込むなど大きな社会問題に発展している。原作に忠実にという作者の意向が脚本に十分に反映されなかったことが自死の主因とみられる。ここで浮かび上がったのは「著者が待つ絶対的な権利『著作者人格権』について周知徹底し、著者の意向は必ず尊重され、意見を言うことは当然のことであるという認識を拡げることこそが再発防止において核となる部分」と第一コミック局

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          台湾有事「基本的にはない」中台統一なら一国両制で、台沖そっくりな立ち位置

           1月の台湾総統選で勝利した民進党の頼清徳氏が5月に新総統に就任する。中国とは距離を置く民進党政権は葬英文前総統の8年を含め12年続く。台湾統一を掲げる中国の習近平国家主席はどう動くのか。JCJと日本AALA(アジア・アフリカ・ラテンアメリカ)連帯委員会が共催した3月2日のオンライン講演で台湾選挙を取材してきた慶応大学・京都大学名誉教授の大西広氏が米中対立の狭間で揺れ動く台湾の状況や「中台統一」などを語った。  最大の関心事である中国と台湾の戦争の有無について「基本的にはない

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          覇権争う米中 外交の武器は何か

           米国と中国は自陣営に引っ張りこうと各国に接近を図っている。ただし覇権をめざす米中のやり方は同じではない。3月2日の日本ジャーナリスト会議(JCJ)と日本AALA(アジア・アフリカ・ラテンアメリカ)連帯委員会が共催したオンライン講演で慶応大・京都大学名誉教授の大西広氏は、両国の外交の違いを解説した。 「米国にはグローバルサウス(インド、ブラジル、タイ、南アフリカのような南半球に位置するアジア、アフリカ、中南米地域の新興国・途上国の総称)に手を突っ込みコントロールする力はもはや

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          「ジェノサイド」のガザ 女性・子どもの死者69% 超大型爆弾とAI標的設定

           パレスチナ自治区ガザでのイスラエル軍とイスラム組織ハマスとの戦闘は、終結の見通しが見えない。激しさを増すガザ戦争の行方はどうなるか―。元朝日新聞記者の中東情勢ウオッチャー・川上泰徳氏が1月13日の日本ジャーナリスト会議(JCJ)のオンライン講演で徹底解説した。  イスラエルが「鉄の剣」作戦と名付けた今回のガザ戦争では、イスラエルの攻撃によるガザの死者のうち女性と子どもの民間人が飛びぬけて多い。世界保健機構によると、2008年、14年、21年の過去3回のイスラエルのガザ攻撃で

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          「セクシー田中さん」事件で浮上した著作者人格権問題 世田谷区史に飛び火

           昨年10月から12月に放送されたドラマ「セクシー田中さん」の原作者で漫画家の芦原妃名子さんが脚本を巡る問題で自死(享年50)した事件は、原作マンガを出版した小学館、映像化した日本テレビを巻き込むなど波紋が広がっている。  自死したのは、原作に忠実にという原作者の意向がテレビドラマの内容に反映されなかったことが主因とみられる。 芦原さんが寄稿していた小学館第一コミック局編集局一同が2月8日に公表した声明でも、それを窺わせる文章がある。「著者が待つ絶対的な権利『著作者人格権』に

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          万博14億 これで打ち止めではない 維新崖っぷち

           2025年4月に開催するという大阪・関西万博への批判が高まる一方だ。その原因は膨れ上がるばかりの費用にある。政府が昨年末に公表した試算では、運営費1160億、会場設営費2350億、万博にかかわるインフラ整備費8390億だ。17年の誘致立候補申請時と比べると、運営費1・4倍、会場設営費1・8倍、インフラ整備費10倍にもハネ上がっている。このため合計1兆1900億に増えた。  この要因は①会場の夢洲(ゆめしま)への電気、上下水道、交通などの整備が必要②廃棄物、建設残土、浚渫

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          元共同通信記者のジャーナリスト・春名幹男氏が「国内外の情報機関を抉り出す」

           昨年12月17日の日本ジャーナリスト会議(JCJ)オンライン講演会は、「国の内外で蠢くスパイ組織を抉り出す」をテーマに元共同通信記者のインテリジェンスに詳しいジャーナリスト・春名幹男氏が解説した。  TBSドラマ「VIVAVT(ヴィヴァン)」(昨年7月から9月放送)の題材になった陸上自衛隊の秘密情報組織「別班」。ドラマが大ヒットしたことで注目された別班出身の元陸自三佐、坪山晃三(故人)に春名氏は、1973年8月8日、日本のホテルから拉致された金大中事件真相の追及で取材した。

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          トランプがパレスチナ切り捨て強化、大統領に再選なら姿勢強める?

           イスラエルのパレスチナ占領に対して、アメリカはどういう姿勢なのか。1967年の第三次中東戦争でアラブ諸国に勝ったイスラエルはヨルダンン川西岸とガザ、エジプト領シナイ半島などを武力占領した。そこで国連安保理はイスラエルの占領地からの撤退を決議(「242号議」)。安保理メンバーのアメリカもこの決議に賛成している。イスラエルはすぐに応じなかったが、後にシナイ半島だけはエジプトに返還した。  242号議を維持してきたアメリカだったが、状況が大きく変わったのはトランプが大統領になっ

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          一編の詩がガザの希望と絶望を引き起こす

           パレスチナ自治区ガザの住民に希望を与えた詩がある。詩人でジャーナリストのアハマドが2018年ネットにあげたもので、こんな詩だ。  私は空を飛ぶ鳥を見上げた/鳥たちは有刺鉄線の塀を隔てた両側の木々の間を自由に飛び回っていた/なぜ私たちは単純なことを複雑に考えるのか/行きたいところへ鳥のように自由に行くことは人間の権利ではないだろうか/これ以上に単純なことはないではないか/鳥は飛びたいと思うから飛ぶのだ  日本AALA(アジア・アフリカ・ラテンアメリカ)連帯委員会の昨年末の

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          外苑再開発で森元首相が暗躍、「神宮利権」誕生

           東京地裁で行われている神宮外苑再開発許可取り消し訴訟に呼応するかのように東京新聞が連載を始めた「解かれた封印 外苑再開発の真相」は、2月5日付の第7回目「目覚めた住民 開発拒否」で終わった。この連載のキモは森喜朗元首相がこの計画にどう関わったかだ。2回目と3回目でその核心に触れていた。筆者も森元首相の暗躍をJCJ(日本ジャーナリスト会議)機関紙22年4月2日と23年4月10日で書いている。再編集したものを紹介する                  ◇ 「この一帯を再開発でき

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