東京五輪選手村訴訟 最高裁審理せず上告棄却 五輪に忖度か 原告団、最高裁に抗議声明送付 5月31日(金)集会開く

 二審の敗訴を受けて東京五輪選手村訴訟の原告団は、昨年末に最高裁に上告した。最高裁第二小法廷は「上告棄却」と3月27日に原告団に決定調書を送付してきた。これによりこの住民訴訟は敗訴が確定した。
 最高裁が審理せずに棄却したことに対して原告団は「最高裁までが国家的行事である2020年オリンピック東京大会(コロナ禍で1年延期)に忖度して早々に幕引きを図った」と批判した。

 改めて都民によるこの訴訟を振り返ってみる。東京選手村用地として約13㌶の晴海都有地を公示価格の10分の1以下の約129億円で三井不動産など大手デベロッパー11社に売却したのは違法だとして、周辺価格との差額相当分を小池百合子都知事に支払いを求めた。

 原告団が最も問題視したのは、被告側(東京都)が都市再開発法108条第2項の解釈を捻じ曲げ都議会にも都財産価格審議会にもかけずに都有地を売却した点だ。しかし敗訴が確定したことで公共財産の管理処分を規定した地方自治法237条2項は「無効」となった。再開発事業を進める自治体がこれを悪用する恐れが出てきた。

 原告団は抗議声明を最高裁に送付。さらに5月31日(金)都江東区文化センター3階研修室で午後1時30分から行う上告棄却に抗議する集会ではこれからの取り組みなどを話し合う。多数の参加を呼び掛けている。

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