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17歳のココ

ココはもうすぐ誕生日が来て17歳になる。
ココが来た時は末っ子はまだ幼稚園児でよく泣く子だった。名前をつけたのは当時小学生のしっかり者のお姉ちゃん。猫が欲しいと言い出したのは中学生だったお兄ちゃんだ。

その頃の我が家はこれぞ大殺界と言う感じで絶不調のさなかだった。家族みんなついてない。なんとか変えたいと思っていて猫にもすがるような気持ち?…で。

しかし、ココの前に来た生まれて間もない保護猫ちゃんは来て1週間で亡くなってしまった。元々産まれてすぐに親猫から離された子猫で元気に育ったらウチの子にするはずだった。だけど早めにやってきた。予定より早く里親の所に来た子猫に会ってしまい、子猫を待ち侘びていた泣き虫の末っ子に「連れて帰る!」と大泣きされてだ。危ないなと思いながらも頑張れはきっととまだ小さすぎる子猫をだ。温度管理も大変。鼻が詰まりミルクを飲ませるのも大変。排泄も大変。何度か獣医さんにも連れていったがやはり難しく虹の橋を渡らせてしまった。

全部裏目にでる。

それで受験をひかえたお兄ちゃんをおおいに落ち込ませた。しばらくは凹みまくり不運を嘆いていたのだけど、「それなら次の子を飼えば良いのよ」と言うアッサリした他人様の言葉にそれもそうかも切り替えも大事とココがやって来た。今度は絶対に虹の橋を渡らない丈夫な子猫をとペットショップに行って元気に遊びまわる皆んながピピっと来た子にした。

あれから17年。
最近は寄る年波で腎臓が悪くなりフードを変えたりだけども長生きしてくれている。

泣き虫の末っ子君は小学生くらいまではココのお腹で涙を拭き拭きネコパワーを充電させてもらっていた。ココの方も一番小さな存在と思うのか一緒にお昼寝したり末っ子にお腹を貸してあげくれていた。胸ではない。

末っ子が特別甘えん坊なのかも知れないが猫のお腹は最高だと私も思う。柔らかくて暖かくて耳を当てると呼吸する音が聴こえて来る。なんだかホッとする。ゴロゴロも聞こえくると本当に癒される。一緒に生きていると思える。

最高のお腹‼︎

最近は私の足元で眠るココ。若い頃はすぐに行ってしまうので気を遣って寝返りもコチラが遠慮していたのだけど今は動くのもめんどくさいのか少々の事では出て行かない。朝は私が目を覚ますとゴロゴロがはじまる。猫のゴロゴロはホッコリさせてくれるので朝から幸せな気持ちにしてくれる。

「おはよう 宝物のココちゃん」
「大好きだよ」
「ウチの子になってくれてありがとう」
「かわいい、かわいい、かわいい…」
丸いココちゃんを撫で撫でして抱きしめる。
ココちゃんのうなじも最高。顔を埋める。

自分ちの猫は最高だ。

今、末っ子は就活。
低い声の「ココちゃーん」
が時たま聴こえる。

#猫のいるしあわせ


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