人権

障害者は聖人でなくてはいけない。
障害者なんてそういう動物として見ないとやってけないわよ。
私には、どちらも同じ言葉に思える。
昔、父が障害者を指して言っていた。
「障害を持って生まれた人は自分達より魂のレベルが高くて、何かメッセージを持ってこの世にやって来た天使なんだ」と。
ふざけんな。私は人間だ。自分の暴力性ひとつコントロール出来ない、劣った人間だ。
けれど世間は、それを求める。
出来ない事を、せめて人並みには出来るようにと求める。
出来ないから障害者なのだと言うのは、言い訳にしか過ぎないらしい。
人に害を与えない「劣った」部分をもてはやす。害を与える部分は矯正しようとする。
そこも、どこも、私でしかないのに。
私は何もメッセージなど握って来なかったし、他の人よりレベルは低い。
けれど過度に貶めされることも、やっぱりいやなのだ。私は人に飼われている動物ではない。お前はどうせそうだと刷り込まれてしまっているが、違うと叫ぶ。
時々「天女」だの「聖女」だの持ち上げてくる人がいる。それも違う。
止めてくれ。そんなんじゃないんだ。人権をくれ。
そうだ、人権をくれ。
ただ、それだけを望む。

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