見出し画像

また、労災が発生ました。

今年になって労働災害が2件、ヒヤリハットは数件。
誰だって事故には遭いたくないし、痛い思いはしたくないはずです。

会社の方針としても 1  安全、2 品質、3 納期、4 コスト の順番で重視しているのに、どうして労働災害は発生してしまうのでしょうか。製造業や建設業ではどの企業トップも安全第一を唱えているのに、なぜ起きてしまうのか。

労働災害の発生を防ぎ、だれかの一助に記録しておきたいと思います。

労働災害とは「労働者の就業に係わる建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じん等により、または作業行動その他業務に起因して、労働者が負傷し、疾病にかかり、または死亡することをいう」と労働安全衛生法第2条に定義されています。
また、労働契約法第5条には「使用者は労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう必要な配慮をするものとする」とあります。

労働安全衛生法、労働契約法

Ⅰ. 労働災害とは

労働安全の分野では「事故」と「災害」が区分され、
「事故」は物事(機械設備や人の行動)が基準から外れ、実際に被害(損害)を生じる事象が発生すること。「災害」は「事故」のうち被害が人の身体に及んだ場合のことをいいます。

Ⅱ. 4つの労働災害の段階的原因

  1. 根源原因:何らかの安全衛生管理上の欠陥の存在

  2. 基本原因:人間的要因、設備的要因、作業的要因、管理的要因

  3. 直接原因:不安全な行動、不安全な状態

  4. 事故の発生:「不安全な行動」と「不安全な状態」の接触

その事故が人の身体に及んだ場合「災害」となります。

Ⅲ. 何らかの安全衛生管理上の欠陥の存在

作業者に注意しろと言えば、労働災害は発生しなくなるのでしょうか。もしそうであれば、労働災害は自己責任だと言えてしまいます。
しかし、そのようなことを言う経営者はいません。

労働災害に伴う四大責任
1.刑事責任(司法処分)
  労働安全衛生法/事業者責任
  刑法/業務上過失致死傷罪
2.民事責任(損害賠償)
  民法/不法行為責任、
     安全配慮義務不履行
3.行政責任(営業的損失)
  労働安全衛生法/使用停止命令、
          店社指定再発防止講習
4.社会的責任(信用失墜)
  道義的責任、社会的責任、
  誹謗中傷等

企業にはこれだけの責任があります。労働災害が発生し従業員の身の上になにか起きれば、それは一災害の事実だけでは終わらないのです。

さらにその傷跡を見る度に思い出し後悔する従業員の気持ちを考えたら。そんな思いをさせないようにするのが上司の役目ではないでしょうか。

昔、こんなことがありました。
作業をしていた若い女性が左手薬指をやけどをしてしまいました。

幸いにして跡も残らずに済んだのですが、ちょっと間違えば跡が残ってしまい、将来結婚して、幸せになったのに結婚指輪をみる度に労働災害を思い出してしまうのです。
当時若い女性の上司はそのことを想像し、事故後心配の余り泣いていました。
後にその上司の方は二度とそのような労働災害が発生せぬように部下への安全教育に力を入れていました。

従業員が注意さえしてくれれば。
自己責任などと考えているならば、何らかの安全管理上の欠陥が存在することにならないでしょうか。

そこには上司が存在していないのです。そのようなことでよいのでしょうか。

だれもが幸せになりたいと思っています。
自分だけでなく他人も幸せになれるように、想像力を発揮して労働災害を防げないでしょうか。

よろしければ、サポートしていただけるとうれしいです。 これまでの経験、これから学び経験することをお伝えしていきたいと考えています。そんな活動を支えて戴ければ幸いです。