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女ひとりの自己肯定

「47都道府県 女ひとりで行ってみよう」を読んだ


日本には47都道府県もあるのに、行ったことがない場所があるというのはもったいないなぁ。
というわけで、全部行ってみることにした。
33歳の終わりから37歳まで、毎月東京からフラッとひとり旅。
名物料理を無理して食べるでもなく、観光スポットを制覇するでもなく。
その時の自分にちょうどよいペースで、「ただ行ってみるだけ」の旅の記録。

作品紹介より


ここから想像できるように、かなり読みやすいエッセイだった

私自身社会人になってから読書から遠ざかっており、旅行も好きだし読んでるみるかということでリハビリとして手にしたのだ

旅をはじめたばかりの頃は、名物を食べなければという焦りとか、しゃべる相手がいない淋しさがのしかかっていたけれど、回数を重ねていくうちに少しずつ気軽になった。

あとがきより


私もたまにひとりで旅行したりするが、益田ミリさんも同じことを感じていたんだなと思った


作者の益田ミリさんが旅行していたのはおよそ今から20年前
「おひとり様」という言葉も無かったかもしれないし、女ひとりで旅行するのも今よりもハードルが高かったはずだ



私自身、旅行先でも繁華街だとひとりでいるのはそれほどハードルは高くないが、田舎の方にいると居心地が悪い感じがする
ご飯屋さんに入る時は「こんな私がひとりで入っても大丈夫だろうか、、?」と特に警戒する


子どもっぽい見た目をしているのもあるのかもしれない
大人っぽく強そうな見た目だったら気にせずに済んだのかもしれない、とも思う
パッと見子どもっぽいと舐められやすいし損することの方が多い気がする

どうして、ひとりということがこんなにも恥ずかしかったのか。
それは、こんな景色のいい山の上を一緒に旅する人がいないなんて気の毒だと、誰かに「思われているのではないか?」という恥ずかしさである。誰か、とはもちろん通りすがりの旅行者たちで、そんなみず知らずの人間に「気の毒」だと思われたところで、もう二度と会うこともないのである。なのに、カメラが趣味の人のフリをしたり、仕事で取材に来ている人のフリをしてやたらとメモをとってしまうわたし……。


旅行でも特に、自然を見に行く系(滝とか)のものはひとりだと心細い
知らない土地だと人は心細くなる
だからひとり旅は、ひとり外食やひとりショッピングよりもハードルが高いのかもしれない

この文章には続きがある

でも、これでもいいのだと思う自分もどこかにいる。いつだって堂々としているなんて、なんか嘘っぽいもの。


た、確かに、、!!
常に堂々としていることは良いことと言われているし、それができる人はそれでいいと思うし、素晴らしいことだ

ただ自分が昨日とは打って変わっていつだって堂々としていたら、、、それは嘘っぽいというか、むしろ見栄っ張りとも言えるかもしれない


堂々としていない自分が今の自分だし、もしかしたらいつだって堂々とできる時が来るのかもしれないけれど、そんな時は来ないのかもしれない


堂々としていない自分も今の自分で、それで良い、と認めることこそ、自己肯定なのである

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