喧嘩とすれ違いのあと

(彼女とSNSのやりとりをしながら)

『率直に聞くね。どうしたいの?』

(彼女から会いたいと返事が来る)

『分かった、明日1、2時間会おう!』

『その後行かないと行けない予定があるだけだからまた変な勘違いしないようにね』

(彼女から図星を突かれた返信と落ち着くねとの返信内容が来る)

『君がまた不安になって寝れなくなるかもしれないから言っておくけど、嫌いじゃないからね!ちゃんと好きだよ。それだけは理解してね。俺は仕事がもう少しで終わるけど、ゆっくり寝るんだよ。』

…と。

(彼女から労いの言葉とおやすみのスタンプが来る)

…よし、これで落ち着いたかな。
ふう、仕事終わらせて帰って疲れたからさっさと寝よーっと。


ー翌日の待ち合わせ時間ー

(彼女に電話をかける)
…もしもし、あのさ、今駐車場着いたんだけど話すの家じゃないと駄目?

…分かった、じゃあ車で待ってるね。

(彼女が車までたどり着く)
乗っていいよ。

(彼女大泣き)
……あぁあこうなると思った。
(少し焦り気味に)

泣かないで。
ハンカチかタオルは?持ってない?
じゃあ俺タオル持ってるからこれで拭いて。

(彼女が泣きながら謝罪と弱音をこぼす)
…うん、うん。
そう思ってたの?
はは、そっか。
大丈夫だって。
いいよ、いいよ。

…ん?
(彼女からぎゅーしていいか聞かれ)
うん、いいよ。

(彼女の背中を優しくぽんぽんと叩きながら彼女の謝罪と好きの気持ちを聞く)

うん。うん。

(少し離れて彼女の顔は涙でぐしゃぐしゃ)

ほら、ちゃんと拭いて。

…少しは落ち着いた?
それならよかった。

このまま時間までドライブしながら話そうか。

(車を発進させ、彼女がぽつりぽつりと離れていた間の寂しさや不安とこれからのことを話していく)

うん。うん。
そうだね、今君が俺のことで頭がいっぱいになってることが俺は嫌なんだよね。

だから君には色んなことに興味を持って欲しいし、俺以外に時間を使って欲しい。

だから会う日を決めたりするんじゃなくて、会いたいと思ったときに会う、とか俺が仕事終わって電話出来るときは連絡してからにするね。

(彼女と話が落ち着き)
そろそろ時間だしお家まで戻るね。

ん?いいよ。
(彼女からおずおずと手を繋いでいいか聞かれ)

まぁ、そんなに考えすぎないでね。
気楽にね。

(彼女の家に徐々に近づき始めた頃)
そうだね、そろそろ着いちゃうね。

ー彼女の家の駐車場に着きー
はい、着いたー。
(もう少し一緒にいてもいい?と彼女に聞かれ)

いいよ。

いいよ。

時間もうちょっとあるから。

(もう一度彼女からハグをねだられる)

はい、いいよ。
ぎゅー。

(今度はキスをねだられ)
…いいよ。
ちゅ…。

(彼女のキスに合わせる)
ちゅっ…ちゅう…ちゅ…れろ…。

……っはいもう終わりー。
(彼女を押し返し)

だってこれだけじゃ済まないでしょ君が。
そういうことしたいんでしょ。
だからもうダメー。
そしてはいもう時間でーす。
お出口はこちらですので降りてくださーい。
はは。

あ、あと俺のお母さんから君に渡してって。
(後部座席からガサガサと包装紙を取り出し)
なんかポーチとキーケースらしいよ。
俺は見てないから知らないけど。

え?君とのこと全部話してるけど。
喧嘩のことも、うん。全部喋ってるよ。
あぁでもまだ写真は見せてないなぁ…。

あはは、別に会うことになるんだからそのときでいいじゃん。
もらっときなよ。
家で開けて見てみて。

…じゃあもう本当に時間だから、またね。
(彼女がお礼を言いながら車から降りる)
うん。
あい、ばいばーい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?